ムービーマン

ヨーロッパのムービーマンのレビュー・感想・評価

ヨーロッパ(1991年製作の映画)
5.0
第二次世界大戦後のドイツを舞台に寝台列車の見習い車掌となったドイツ系アメリカ人の主人公の波乱に富んだ数ヶ月を描く。
ネタバレになるのであまり多くは書けないが、暗殺事件から、結婚とサスペンスからラブストーリーまで幅広いジャンルを見事に描ききった傑作だ。
清潔な客室から貧困層が乗る車両までを映した経済格差、子供を駒にした理不尽な暗殺事件など、様々な要素をバランス良く描いている。
何より良く出来てると個人的に魅入ったのが、画面全体がモノクロと思いきや、スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」のように一部だけカラーになったり画面全体がカラーになったりと工夫し尽くされた色使いだ。
それに何とも言葉に出来ない描写も素晴らしいしここからはネタバレになるが、正義感溢れる大人しい主人公の堪忍袋の緒の切れたラストが現実的で素晴らしい。
ラース・フォン・トリアー監督の作品はこれで「メランコリア」に続き、2作目になるが今作の方が分かりやすい。
とにかく良く出来た傑作であった。
素晴らしい!!
ムービーマン

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