ノットステア

秒速5センチメートルのノットステアのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
3.5
○感想
友達のススメで観た。当時、月に10作品は映画を観るようにしていた。(3ヶ月位だけだけど。)今日で今月が終わる!なんとかして2つ観ないと。短いのを。。それで『秒速5センチメートル』と『言の葉の庭』を観た。

これが好きか嫌いか分かれる結末かと思った。僕はこの結末嫌いじゃない。心に訴えてくるものもある。面白いし、寂しい。最後の主題歌だけ邪魔。
詩的な言葉をわざと使おうとしている感じがいやらしい。
ナレーションによる説明的な心の声が鬱陶しい。

※私個人の新海誠作品個人的ランキング
『秒速5センチメートル』>『言の葉の庭』>『君の名は。』


以下、ネタバレ。。。多分ネットの引用















○あらすじ

第1話「桜花抄」

“桜の花の落ちるスピードって知ってる?秒速5センチメートルなんだよ”。小学生の頃から思い合う、遠野貴樹(13)と篠原明里(13)。しかし、親の転勤で明里は中学入学と同時に栃木市へ転校。2人は文通を続けていたが、貴樹も親の転勤で鹿児島に引っ越すことになる。
中学1年の冬。貴樹はついに電車を乗り継いで、1年ぶりに明里の住む栃木で会うことに。東京から2時間ほどだが、雪のために電車が遅れてなかなか2人は会うことができない。ようやく午後10時を過ぎて電車は駅に着く。待ち合わせの午後7時からずっと待っていてくれた明里。2人は、明里が手紙に書いた桜の木の下で口づけをかわす。
”キスの前と後では世界がなにもかも違うんだ”。その夜、2人は納屋で過ごし、朝早くに駅で別れた。”貴樹君なら大丈夫だよ”と微笑む、明里。心の距離は埋めたが、物理的な距離を埋めることは容易ではない。


第2話「コスモノウト」

鹿児島の高校に通う遠野貴樹(17)。弓道部に所属し、放課後まで練習の毎日。墨田花苗(17)は、貴樹が中学に転校してきた初日から片思い。“遠野君は他の男子とは違う。はるか遠くを見ているようだ”と一緒に下校するといつも考えてしまう。そのせいか、趣味のサーフィンが上手くゆかない。高校卒業後の進路についても悩んでいた。
ある日の夕方。丘に横になる貴樹の姿を発見。進路について話すと貴樹は東京の大学に進学したいと言う。夜空を見上げると天の川や星座がきらめいていた。帰り道、2人の目前をNASDA(ナスダ:日本宇宙開発事業団)のH2ロケットが運ばれてゆく。・・僕たちはどこまでゆくのだろう。貴樹の心ははるか宇宙を見つめている。
翌朝、半年ぶりに波乗りが成功した、花苗。「波に乗れた今日、告白しなければ」と決意する。2人きりの帰り道。2人の目前をH2ロケットが飛翔してゆく。“遠野君が他の人と違うのが分かった気がした。もっとずっと先の方を見てる。叶わないけれど、私はずっと好きなのだと思う”。


第3話「秒速5センチメートル」

東京。桜が舞う季節。遠野貴樹はシステムエンジニアとして忙しい日々を過ごしていた。一方、明里は、来月に結婚式を控えており、貴樹へ”結婚するの”と最後のメールを送ります。その頃、探査機は太陽系最遠へ到達しようとしていた。貴樹は、踏切で明里に似た人を見かけます。その刹那、振り返るがもう彼女はいない。
2人は結局、一緒になることはできなかったが、どこか遠くで幸せに生きてゆくだろう。




○印象的な言葉
・明里「桜の花の落ちるスピード。秒速5センチメートル」(最初のセリフ。桜の舞う中、小学生の明里が貴樹に語る。さらに明里は桜のことを「まるで雪みたい」とも語る。)
・明里(手紙)「ねえ、貴樹くん。私のこと、覚えていますか?」
・明里(手紙)「貴樹くんも、きっと少しずつ変わっていくのでしょうね」(小学校の時に仲のよかった貴樹と明里。明里は小学校卒業と同時に栃木へと引っ越してしまい、2人は離ればなれとなる。中学生になってから半年後、明里は貴樹に手紙を出す。そして2人の文通が始まるのだった。)
・貴樹(ナレーション)「まだ体が小さく病気がちだった僕らは、グランドよりは図書館が好きで、だから僕たちは自然に仲良くなり、そのせいでクラスメイトからからかわれることもあったけれど、でも、お互いがいれば不思議にそういうことはあまり怖くなかった。僕たちはいずれ同じ中学に通い、この先もずっと一緒だと、どうしてだろう、そう思っていた」
・貴樹(ナレーション)「ドキドキしていた。これから、僕は明里に会うんだ」(小学校の時に仲のよかった貴樹と明里だったが、小学校卒業と同時に明里が栃木へと引っ越してしまったことから、2人は離ればなれとなる。その後も文通を続けていた2人。貴樹は、中学1年生の3学期の終わりに種子島に引っ越すことになる。引っ越す前に、貴樹は明里に会うために東京から栃木に電車で向かう。)
・貴樹(ナレーション)「耳が痛くなるくらい押し当てた受話器越しに、明里が傷つくのが手に取るようにわかった。でも・・・どうしようもなかった」(明里と会うために電車で栃木に向かう貴樹。だが大雪によって電車は大幅に遅れてしまう。列車の中でジリジリとした気持ちを抱えながら、貴樹は明里が引っ越しを告げる電話をしてきた時のことを思い出すのだった。)
・貴樹(ナレーション)「あの日・・・あの電話の日・・・僕よりもずっと大きな不安を抱えているはずの明里に対して、優しい言葉をかけることのできなかった自分が、ひどく恥ずかしかった」
・貴樹(ナレーション)「電車はそれから結局、2時間も何もない荒野に停まり続けた。たった1分がものすごく長く感じられ、時間ははっきりとした悪意を持って、僕の上をゆっくりと流れていった。僕はきつく歯をくいしばり、ただとにかく泣かないように耐えているしかなかった」(明里と会うために電車で栃木に向かうことになった貴樹。だが大雪によって電車は大幅に遅れる。貴樹は明里との過去を思い出しながら、列車の中でジリジリとした気持ちを抱え、ひたすら耐え続けるのだった。)
・貴樹「今まで食べたものの中で一番おいしい」(大雪によって電車は大幅に遅れてしまう。ようやく駅に着いた時にはすでに深夜となっていた。それでも明里は駅で待っていてくれていた。明里が作ってくれた弁当を食べた貴樹の言葉。)
・貴樹(ナレーション)「その瞬間、永遠とか心とか魂とかいうものがどこにあるのか、わかった気がした。13年間生きてきたことのすべてを分かちあえたように僕は思い、それから次の瞬間、たまらなく悲しくなった。明里のその温もりを、その魂を、どのように扱えばいいのか、どこに持っていけばいいのか、それが僕にはわからなかったからだ」
・貴樹(ナレーション)「僕たちはこの先もずっと一緒にいることはできないと、はっきりと分かった。僕たちの前にはいまだ巨大すぎる人生が、茫漠とした時間がどうしようもなく横たわっていた」
・明里「貴樹くんは・・・きっと、この先も大丈夫だと思う、絶対!」(キスした翌朝、電車で帰る貴樹を見送る明里の言葉。)
・貴樹(ナレーション)「明里への手紙をなくしてしまったことを、僕は明里に言わなかった。あのキスの前と後とでは、世界の何もかもが変わってしまったような気がしたからだ。彼女を守れるだけの力が欲しいと強く思った。それだけを考えながら、僕はいつまでも窓の外の景色を見続けていた」
・花苗(ナレーション)「もし私に犬みたいなシッポがあったら、きっとうれしさを隠しきれずに、ブンブンと振ってしまったと思う。ああ、私は犬じゃなくてよかったなーなんてホッとしながら思って、そういうことにわれながらバカだなあと呆れて、それでも遠野くんとの帰り道は幸せだった」
・花苗(ナレーション)「遠野くんは時々、誰かにメールを打っていて、そのたびに私はそれが私宛てのメールだったらいいのにって、どうしてもいつも思ってしまう」
・花苗(ナレーション)「彼は優しい。ときどき、泣いてしまいそうになる」
・貴樹(ナレーション)「それは本当に、想像を絶するくらい孤独な旅であるはずだ。本当の暗闇の中を、ただひたむきに、1つの水素原子にさえ滅多に出会うことなく、ただただ深遠にあるはずと信じる世界の秘密に近づきたい一心で。僕たちはそうやって、どこまで行くのだろう。どこまで行けるのだろう」(宇宙探査機「」が打ち上げられることを知る。エリシュのことを考える貴樹は、その壮大で孤独な旅路に思いをはせる。貴樹はどこか遠い世界を見ていた。)
・貴樹(ナレーション)「出す宛のないメールを打つクセがついたのは、いつからだろう」
・花苗の姉「花苗、あんた進路決めたの?」
花苗「ううん。やっぱりまだわかんないけど、でもいいの。決めたの!1つずつできることからやるの」
・花苗(ナレーション)「波に乗れた今日言わなければ、この先もきっと、ずっと言えない」
・花苗(ナレーション)「お願いだから、もう、私にやさしくしないで…」
・花苗(ナレーション)「必死に、ただ闇雲に空に手を伸ばして、あんなに大きな塊を打ち上げて、気の遠くなるくらい向こうにある何かを見つめて。遠野くんが他の人と違って見える理由が、少しだけ分かった気がした。そして同時に、遠野くんは私を見てなんていないんだということに、私ははっきりと気づいた。だからその日、私は遠野くんに何も言えなかった」(貴樹に思いを伝えようと決心した花苗。だが、優しい貴樹を前にして泣き出してしまう。その時、太陽系の圏外を探査するためのロケットが打ち上げられる。ロケットを見つめながら、花苗は貴樹が自分を見ていないことを悟るの。)
・花苗(ナレーション)「遠野くんは優しけれど、とても優しいけれど、でも遠野くんはいつも、私のずっと向こう・・・もっとずっと遠くの何かを見ている。私が遠野くんに望むことはきっとかなわない。それでも、それでも私は遠野くんのことを、きっと明日も明後日もその先も、やっぱりどうしようもなく好きなんだと思う。遠野くんのことだけを想いながら、泣きながら私は眠った」
・貴樹(ナレーション)「今振り返れば、きっとあの人も振り返ると強く感じた」
・貴樹(ナレーション)「ただ生活をしているだけで、哀しみはそこここに積もる。日に干したシーツにも、洗面所の歯ブラシにも、携帯電話の履歴にも」
・貴樹(ナレーション)「この数年間、とにかく前に進みたくて、届かないものに手を触れたくて、それが具体的に何を指すのかも、ほとんど脅迫的とも言えるようなその想いがどこから湧いてくるのかも分からずに、僕はただ働き続け、気づけば日々弾力を失っていく心がひたすらつらかった。そしてある朝、かつてあれほどまでに真剣で切実だった想いがきれいに失われていることに僕は気づき、もう限界だと知った時、会社を辞めた」
・貴樹(ナレーション)「昨日、夢を見た」
明里(ナレーション)「ずっと昔の夢」
貴樹(ナレーション)「その夢の中では、僕たちはまだ13歳で」
明里(ナレーション)「そこは一面の雪に覆われた広い田園で」
貴樹(ナレーション)「人家の灯りはずっと遠くにまばらに見えるだけで」
明里(ナレーション)「降り積もる新雪には、私たちの歩いてきた足跡しかなかった。そうやって」
貴樹(ナレーション)「いつかまた、一緒に桜を見ることができると」
明里(ナレーション)「私も彼も、なんの迷いもなく」
貴樹(ナレーション)「そう思っていた」(社会人となった貴樹と明里は、別々の人生を歩んでいた。そんな2人が、中学生の頃の、雪の栃木での出来事を夢に見たことを語る。このあと、「One more time, One more chance」をBGMに、これまでの2人に起こった出来事が描かれていく。)