メランクさん

秒速5センチメートルのメランクさんのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
5.0
小山駅の近くに住んでる間についぞ見なくて
明日は久々に小山駅に行く用事があって、
次はいつになるかわからないので見てみました。

まぁここを見てくれる知り合いは限られてるし、
どこかには書いときたいからここに書くけど、
いまだいぶ無理ゲーな恋をしていまして、
しかも一度は確実にこの手に何かを掴んだってことを含めて、
遠野くんの死んだ目に共感しかなかった。

これまで見た新海誠作品でも出てくる「宇宙=孤独」のイメージは、
そうか、恋のことだったのか。
交わるかもしれないという予感も含めて、
やっぱり人を思うことはただただ孤独だ。
それを雪で閉ざされた電車で表現してみたり、
広い海でのサーフィンで表現してみたり、
カブに乗って一緒に帰るってのも
そこにはずっと会話がなくて
好きな人の後ろ姿だけが見えるわけだから
やっぱりただただ孤独なんだよなぁ。

んでその孤独感を最大限に感じさせるのは、
結局、明里さんの心がなんで離れちゃったのかを
きちんと描写しないとこなんだよな。
まぁそれはその物理的な距離の問題なんだろうが、
だとしても確かに目の前にあった感覚が、
遠野くんを捕えて離してくれないんだなぁ。

大学のころに小田急を使ってて、
何度も小山駅に帰ってた人間からすると、
まず遠野くんは大宮乗り換えしてる時点で間違ってるし、
栃木のあの辺りは東京と同じタイミングで雪降る程度なんで、
それがあのタイミングになるくらいに
なんとも持ってない人なんだろうなぁ〜。

今回の恋をする前だったら、
遠野のことぜんぜん理解できなかったかもしれない。
でもマジでいいタイミングで見たかもな〜。
ちょっと忘れがたい作品になったわ〜。