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秒速5センチメートルのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
5.0
<桜花抄>遠い憧れのつまった図書館の本。神社の猫。カンブリア紀のハルキゲニアとオパビニア。二人だけに過ぎてゆく日々と、二人だけで広がっていく世界。東京の小学校に通う遠野貴樹(声:水橋研二)と篠原明里(近藤好美)は、親の転勤で引っ越したばかりの家庭環境も同じながら、引っ込み思案で体が小さく病気がちなところも同じだった。二人はやがて、お互い似たもの同士で、次第に意識しあうようになるが……。
<コスモナウト>種子島-夏。この島に暮らす高校三年の澄田花苗(花村怜美)の心を今占めているのは、島の人間にとっては日常化したNASDA(宇宙開発事業団)のロケット打ち上げでも、ましてやなかなか決まらない進路のことでもなく、ひとりの少年の存在だ。中学二年の時に、東京から引っ越してきた遠野貴樹(水橋研二)。こうして隣を歩き、話をしながらも彼方に感じられる、いちばん身近で遠い憧れ。鼓動が重くも早まるから、口調は早くも軽くなる。視線が合わせられない分、視点はいつも彼のほうを向いている。ずっと続けてきたサーフィンで思い通りボードに立てたなら、そのときは胸のうちを伝えたい。乗りこなしたい波。乗り越えたい今。少しずつ涼しさを増しながら、島の夏が過ぎていく……。
<秒速5センチメートル>遠野貴樹は高みを目指そうとしていたが、それが何の衝動に駆られてなのかは分からなかった。大人になった自らの自問自答を通じて、魂の彷徨を経験する貴樹だが……。
「ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」の新海誠監督が、卒業と同時に離れ離れになった少年少女の淡い恋を描く青春ラブストーリー!小学校の卒業と共に離れ離れになった少年・貴樹と少女・明里。互いに特別な思いを抱きながらも伝えられず、時間だけが過ぎて…。二人の再会を描く「桜花抄」、少年・貴樹を別の人物の視点で描く「コスモナウト」、2人の恋の行方を描く「秒速5センチメートル」を収録。新海誠独特なもどかしい距離感が遠距離恋愛や片想いというシチュエーションでより増幅された痛切なラブストーリー。雪のせいで電車が遅れたり、携帯電話がないので上手く連絡出来なかったりなかなか想いを伝えられない困難があるからこそ、会えた時間が大事な人がいとおしくて永遠を願うけどすれ違い熱い想いも冷めてしまうだけど忘れ難いそんな痛切な恋を描くストーリーが、LINDBERGや山崎まさよしのスタンダードナンバーを絡めて描かれる。じんわり甘く切ない傑作アニメ映画です。
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