渡辺静

ラスト サムライの渡辺静のネタバレレビュー・内容・結末

ラスト サムライ(2003年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

公開当時以来に再鑑賞。
当時より面白かったです。

いわゆる「白人酋長もの」で、楽しみ方がわかりやすいのもいい。
鉄板の異文化交流の楽しさ、
ネイティブアメリカン虐殺に加担してしまった過去のトラウマからの解放というサブプロット、
すべてにそつがなく、手堅く作ってあるな〜という印象。

日本人の白人コンプレックスを程よく刺激し、「俺たち日本人の良さを、白人さまが理解してくださっている」というキモチヨサを与えてくれるのも、日本での大ヒットの要因の一つだろうなと思った。

そしてケンワタナベの面がまえが良すぎる。キャラの心の微妙な機微を表情て表せる素晴らしい演技。

公開当時「ケンワタナベ英語ペラペラすぎやろ、そこへの説明無し?」と疑問だったが、観直してみると、ケンワタナベは政府の議員の一人でエリートなので、英語喋れる説得力がちゃんとシーンで説明されていた。

政府議会にケンワタナベが参加するシーンがとても好き。
「山奥に住んでるサムライ」イメージとインテリのギャップがキャラクターを深めてて高ポイントだし、
洋服姿の議員が並ぶなか、紋付袴&帯刀で登場、時代遅れの姿が滑稽に映る、なんとも言えない名シーン。

一方、
ほんっとーーにいらないと思ったのは、トムと小雪のロマンス。まじでまじでいらなかったと思う。
夫の仇とキスするのってどーいう心境?
キャラの行動理念の積みが全然ないと思う。
上層部から「なんとかロマンスを入れろ」と言われていたのかもしれないが、心底不要だったと思う。作品のテーマとも合っているようで外れているし。

あと、ケンワタナベの今際の言葉が英語なのも「なんで?」となった。
西洋化する日本を憂い、銃弾で死ぬのを拒み、刃で死ぬことを選んだのは、日本人(侍)であろうとしたからなのに、「Perfect……」じゃあないよ。

ニンジャ軍団は、「ねーよ笑」とは思うが、作り手の「どうしてもやりたいんや!」が感じられ、やりたかったんだね、オッケー!👍と思えるのでよし。
渡辺静

渡辺静