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自由の幻想のcyphのレビュー・感想・評価

自由の幻想(1974年製作の映画)
4.2
こういう温く楽しいやつ大好きだ、数珠繋ぎの物語を頭の中で反芻するのも楽しいし見た夢思い出すみたいに印象的な(インモラルな)シーンだけを頭に浮かべるのも楽しい 観てる感覚がロマンポルノっぽいなと思った 画面の外にある謎ルール(今回はあらゆる条理を裏切っていくべしというルール)に則りつつ肩の力抜けたサービス精神みたいなもので話が繋がっていくやつ好きだな あと亡くなったばかりのモニカ・ヴィッティ始め、主役級のしっかり味の濃い美女たちが入れ替わり立ち替わりで退場してくのかなりゴージャスで不真面目で素晴らしくよかった

メモ→不審な男が小学生の娘に預けた"淫猥な"写真を眺める夫婦、不眠な夫のベッドに訪れる鶏・美女・郵便配達人・エミュー、キツネを探す戦車、豪雨の宿で神物を賭けてのカード遊び、お尻の開いたズボン、叔母と甥とのラブロマンス、中断ばかりで進まない警察学校?での授業、排泄と食事が逆転した上流家庭のスケッチ、娘を連れて娘の行方不明を訴える両親と娘に質問しながら聴取を取る警視総監、30階から市民を撃ち抜きまくって死刑を宣告されて傍聴人たちと普通に帰宅する男、妹マグリットとそっくりな美女エステルとの地下のバーでの邂逅、暑い夏の日に網タイツとヒールのエナメル靴だけでブラームスを弾くマグリットの回想、納骨場に転がった受話器、警視総監Aと警視総監Bとの打ち解けた空気、襲撃された動物園と逃げ場のないダチョウ

あと全作に通じるところだけどブニュエルの特に必然性もなく急に背景音がうるさすぎて話の腰が折れるやつ好きだな とにかく"映画"をこけさせようと必死かいってうれしくなっちゃう あと小間使いの日記では神父様だったひとがロリコン変質者になってるのキモくてよかった 無邪気に性格が悪い
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