任侠映画のような義理人情とも無縁、仁義なきシリーズのような戦後の貧しさとか上昇志向とも無縁な、ドライで無軌道な連中を京都を舞台に描く。手持ちカメラの街頭ロケを多用しているのでゴダールの「勝手にしやがれ」などと比べられたりもするが、質感はかなり違う。彼らの家庭環境とか個人的なことなどは一切語らず、金儲け目当ての犯罪を繰り返す様を追っていくのだけど、その内容が結構えげつなく、タクシーをただ乗りしたり、たこ焼きの釣り銭を誤魔化したり、路上でタバコを掠め取ったり人妻を騙して恐喝した挙句輪姦したり、まぁその節操の無さを描こうとしているのだろうけど彼らに所謂「悪の魅力」は感じられず、観た後もちょっと嫌な気分が残る。