カッキー

ウェルカム・トゥ・サラエボのカッキーのレビュー・感想・評価

3.8
これが戦火の真実なのか。
戦場の悲惨さだけでなく、メディアは過激な映像を求め、ある意味報道戦争を繰り広げる📺
ウクライナの地でも、同じようなことが起きているのかもしれない。
真実を伝えたい使命感と、過激なエンターテインメントとしての側面。

劇中、実際の映像と思われる、道端に倒れた血まみれの人々が映り、何の修正もなく死体が出てくるので観る人を選ぶかもしれないが、無差別な虐殺が行われたボスニアの真実を映していた🇧🇦

そんな中でも人々は普通に生活をしている現状が、違和感しかなかった。
道を歩いていただけで撃ち殺される人々、国外に脱出出来るはずだったのに、どこかに連れて行かれる子どもたち、政府は自国民の避難を認めていなかったり、混沌としていた。

そもそもボスニア内戦のきっかけを作ったのは、メディアだとサッカーの元日本代表監督であるオシムが言っていた⚽️
予備知識として、旧ユーゴスラビアについて知っていたので良かったが、そもそもあの一帯はセルビア人、クロアチア人、ボシャニャク人と呼ばれる人たちが友好的に住んでいたらしい。
各民族の違いは宗教で、言葉とか、ルーツは一緒なわけで、今のウクライナとロシアにも近しいものを感じる。
そんな人たちが殺し合うなんて、戦争は何で起きてしまうのかと毎回どこかで起きる度に思う。

話は映画に戻るが、英国人ジャーナリストのヘンダーソンは、身寄りのない孤児と思われていた少女エミラを連れて行くことになるが、きっとあれはエミラにとっても最良の選択だったはずだ。

この映画は共感するものではなく、人間の醜さにスポットを当てており、共感出来ない方が良い映画だと思った。
共感出来たら、戦争を肯定することになるのだから...
カッキー

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