ぱりぱり

ひかりのまちのぱりぱりのレビュー・感想・評価

ひかりのまち(1999年製作の映画)
4.0
みんな自分にしか分からない寂しさや痛みを抱えている、
でもそれに自分が支配されて身動きがとれなくなることはない、というか人との関わりから逃れられない(そしてそれを拒まないならば)社会に生きているから、その寂しさとか痛みがなくなることはなくても、ふとそれを忘れさせてくれる瞬間を他者が与えてくれることがある

そんなよくありそうな物語なのに、この映画が特別なのは、ひとつひとつのエピソードの作り込み方がすごく丁寧なのか、実際の経験に基づくのか。
なんでか分かんないけど、ひとつひとつの内容がすごくいい映画だった
誰かが死んじゃうとか激しい展開も人生には訪れるけど、ずっと日常によくある悲しさ、でもだからといってその悲しさの方が小ちゃいわけじゃない、その悲しさでこころの最後のエネルギーが尽きちゃう人だっているし、傷跡が残り続ける人だっている
小さい傷跡に見えてなかなか治らないキリキリする傷をみんな抱えて生きているんだな〜、こんなの当たり前のことなのに、私も最近になってようやく分かってきた。