雨のなかの男

左きゝの拳銃の雨のなかの男のレビュー・感想・評価

左きゝの拳銃(1958年製作の映画)
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とても綺麗で生々しい映像に最後まで惹きつけられた。これがアーサー・ペンのデビュー作というのだから驚く他ない。
無邪気さといい、上目遣いといい、幼稚さや奔放さ、性的な魅力、屈折した感情や無軌道ぶりなど、役柄と演技が相まってディーンを連想してしまうが、そこが彼の不遇の所以なのかもしれない。ただもしポール・ニューマンの一作を選べと言われたら自分は本作を選ぶ。それだけニューマンの存在感を強烈に映し出す演出や、極限まで共感を阻害する無邪気な立ち振舞や、無軌道ぶりが素晴らしい。おそらくだが、逮捕された後に挑発的な看守に見下されながら睨み合う場面をクリストファー・ノーランは意図的に『ダークナイト』(2008)に取り入れている。本作のビリーはジョーカーの系譜に繋がるのかもしれない。ペンと言えば後のニュー・ハリウッド作品が有名だが、正直、本作のほうが凝縮された力を感じる。素晴らしい映画だった。
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