一

涙の一のレビュー・感想・評価

(1956年製作の映画)
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3年ぶりに再見。やっぱり名作。タメの効いた若尾文子のクロースアップがどれもこれも素晴らしい。そして僕はこの映画の佐田啓二が大好きである。そういえば『明日をつくる少女』と同じく、本作も若尾が勤めるのはハーモニカ工場であった。仏の田村高廣が言い放つ「僕は誰にも愛されたことも愛したこともない人をお嫁さんにしようと思ったことはないんだ」 何度でも噛みしめたい台詞だ。

2018/06/06
若尾文子と石濱朗の不憫な悲恋に肩入れして「縁談ぶち壊すかもしれない」とか息巻いていたガラの悪い佐田啓二をあっさり丸め込む、いかにも人畜無害でつまんなそうな仏の田村高廣が最高~。そのあとの佐田と杉田弘子の船の上の会話もすごくいいし、こっちのカップルも可愛らしい。そんであのラスト、ほんと素晴らしくて泣いちゃう。
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