けんくり

殺しの烙印のけんくりのレビュー・感想・評価

殺しの烙印(1967年製作の映画)
4.0
一癖も二癖もある殺し屋たちの世界を、独創的に描いたカルト映画。

この殺し屋たちが本当に面白くて、主人公は「米が炊ける匂い」フェチだし、奥さんは色情狂。主人公が愛してしまう女殺し屋の家には、虫の標本が大量にある。

謎めいたランクNO.1の殺し屋も筋金入りの変態なので、これはぜひ実際に観て確かめてほしい。(この人が1番お気に入り)

そうした「ランク」なども含め、「殺し屋の社会」を描写している点は、ジョン・ウィックシリーズなどに先駆けているとも言える。

ともすれば漫画チックでチープな設定が、鈴木清順監督の白黒の映像美と、ヌーヴェルヴァーグっぽい無軌道な筋運びによって、物凄いアートに見えてしまうから不思議。

日本の漫画でも、こういう前衛的なアプローチで実写化される作品があっても面白いかも。ザック・スナイダー監督の『ウォッチメン』みたいなイメージ。