SCALA

殺しの烙印のSCALAのレビュー・感想・評価

殺しの烙印(1967年製作の映画)
4.4
ハード(お米)ボイルド


全ての殺し屋がランキング化された世界を舞台に、その頂点を狙うナンバー3の男がたった一度の失敗から組織に命を狙われる恐怖と戦いを描いたフィルム・ノワール、、、


何これ、カッコいい。面白い。
ストーリーはいたってシンプルなのにスタイリッシュで実験的な映像とエロスが溢れ、常に"お米"と死の匂いがプンプン漂う。

日活をクビになった一番の原因ともいわれている、主人公が炊きたての"お米の匂い"に欲情を覚えるという、食欲と性欲の"炊き込みご飯"みたいな設定もぶっ飛んでて好き。
(パロマ炊飯器がスポンサーというのが理由らしい)

ハードボイルドな前半とは打って変わって後半はもはやブラックコメディみたい。
ナンバーワンの男が隣で目を開けて寝たり二人で腕組みするシーンは可笑しかった。

寡黙で男前の宍戸錠とエキゾチックな雰囲気の真理アンヌの佇まいも素晴らしい。

エロスとタナトスを見事に描いたアートでオシャレなカルト作品でした。


"これがナンバーワンのやり口だ"
"敵を焦らし、疲れさせて、殺す"
"お前の運命は窮まった"
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