イギーポッポ

晩春のイギーポッポのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
3.6
結婚とは何ぞや、必ずしも必要なモノなのか?これ2022年だから誰でも考えられるお題だけど、戦後間もない時期にはこれが問題・テーマとして想像する事すら無かったのでは。
東京物語でもそうだけど、現在まで続く“戦後”を誰よりも先に見抜いて普遍的な家族のドラマに落とし込む、小津の慧眼恐ろしい。だって今でも女性が1人で生きぬくのは厳しいくらいだもん。
さらには身内は情が絡むから余計難しい。肉親ゆえの思いやりがスレ違いが、切なくもこれこそが闇が深いとすら。ラストの1人残った父の孤独…映画史に残る孤独シーン(だが当然のように不満や後悔はない)よ。