すえ

晩春のすえのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
5.0
記録

みんな小津をやろうとしている。それが意識的か否かは関係なしに、無意識のレベルでも彼の影響は潜んでいるんだと改めて感じた。映画そのものがグリフィスから逃れられないように、日本映画は小津から逃れられないのだろう。しかしたとえどんな作家が彼と同じことをやってみせても、それは結局小津の真似事であり、やはり彼の作り出す異界には到底敵わない。

均整のとれた同じ構図、ローアングルから小津は家族という主題を撮り続けた。その計算されたフレームに人物が出入りする面白さ。同じ構図が最も効果を発揮するのは、被写体が不在のショットであり、その空虚さは筆舌に尽くし難い。

この映画で爆笑して、尚且つ涙まで流してしまう人間と友達になりたい。死ぬほど笑ったし、死ぬほど泣いた。

いや、それにしても原節子さん、美しすぎるし恐ろしすぎるよ、俺はこの人が怖い。

小津はソフトを揃えたいと思っていたが中々手が出せずにいる、配信で我慢するしかないか…

2024,137本目 5/25 AmazonPrime
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