安堵霊タラコフスキー

ザ・プレイヤーの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)
4.4
80年代泣かず飛ばずだったアルトマンの久々のヒット作で、彼自身がカンヌを受賞しただけでなくアカデミー賞でもナッシュビル以来の監督賞候補となった作品。

まず冒頭の黒い罠をオマージュしたメタ要素入りの長回しからして何度見ても素晴らしいが、時々挿入されるドキュメンタリー的表現も映画界の裏側を描いた作品内容とマッチしており、改めて見ても中々に面白い映画に仕上がっていたと思う。

多数の俳優のカメオ出演も目立つが、これもアルトマンのキャリアと手腕があったからこそ出来たことだろう。(しかも最初登場したらカメオか主要人物かわからないことも多く、それを利用したかのようなウーピー・ゴールドバーグの登場シーンにおける遊びとかも面白かった)

全体的な映像の質感やアイロニカルな演出も90年代的な雰囲気に合致していて、アルトマンが80年代に低迷していたのも当時の諸々の質感がアルトマンに合わなかったからなのかもと思わせられる。

でもブルース・ウィリス主演の劇中劇がどう考えてもアカデミー賞狙えそうと思えないのはわざとだったのだろうか。