書庫番

ザ・プレイヤーの書庫番のレビュー・感想・評価

ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)
4.3
2020年2月8日 レンタルDVDにて鑑賞。

80年代ハリウッドの映画スタジオを舞台に、映画関係者らの思惑と欲望がが蠢く群像劇を皮肉の効いた笑いを交えて描いたサスペンス。
本作で第45回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞したロバート・アルトマンは80年代の不遇時代から復活する事になる。

劇中劇の場面からのスタートと思わせておいての、登場人物と彼ら取り巻く事情をワンカットの長回しで観客に見せる構成が洒落ている。
内容は姿見せぬ脅迫者の影に怯えるスタジオ重役を中心にしたサスペンスの形をとりつつ、当時のハリウッドの裏事情を皮肉ったコメディの側面を持つ。
この座組を頭に入れて観ると、後半の展開とラストカットでニヤニヤが止まらない。

カメオ出演も含めたキャスト達は撮影を楽しんでいただろうなと思わさせられた、魅力ある作品。
そこはロバート・アルトマン監督の才能と人望が成せる技なのであろう。
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