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不夜城 SLEEPLESS TOWNのMelkoのレビュー・感想・評価

不夜城 SLEEPLESS TOWN(1998年製作の映画)
3.3
「お前が行きたいって言ってる場所はな、そんなの、この世界のどこにも存在しない」

「健一、雪だよ…」

ハードボイルドさがなぁ…期待してたのには届かなかったというか、2時間も必要だったかしらと思うぐらい、展開が薄い
ラスト30分は息詰まる展開になったけども。。

残念だなと思った点としては、
中国名が聞き取りにくく誰が誰だか分かりづらいこと
ビジュアルと声は大好きなのに、日本語のイントネーションが絶妙に微妙で棒に聞こえてしまう金城武の演技(中国語はさすが!雰囲気満点だった!)
美しくなくてチープなラブシーン(腰を振る動きが男女でバラバラなのが何とも…)
妖艶ではあるけど、男顔すぎて色気半減な山本未來のヒロイン(シンプルに私の好みの顔でないのもある)
雰囲気で押そうとしてる感があって、終わってみれば単純なストーリーなのだが、過度な雰囲気作りが邪魔して、見てるうちは読み取りにくいストーリー編成
現実味に欠けるガンアクションシーン(腰に一撃くらったところで、即死になるのかな…もっと苦しむのでは)

良かったのは、
・在りし日の歌舞伎町を中心とした新宿界隈の街並みが見れたこと。当時の退廃的な若者や疲れた大人の描写が参考になった。
・セリフを喋ると残念な感じではあるが、カットのカッコよさは半端ない金城武。銃を構える姿と、タバコを吸う姿がとにかくサマになる。冗談じゃなく、アジア人で1番サマになると思う。
・個人的に誰よりも爪痕を残してたのは、富春を演じた椎名桔平。狂気に満ちた表情があんなに似合う役者はそんなにいない。登場シーンが少なかったのが残念。
・上海グループの新しいボスが中国語話す松尾貴史にしか見えなかった

B’zの主題歌が今聴くとメロディも歌詞もクサすぎるんだけど、この作品の雰囲気にはバチっとハマってた

上海グループのボスから「お前は三国志の呂布みたい」って言われる金城武、この何年も後に諸葛公明役やるんだよね、ってそこだけちょっとおやっと思ったり。

やりたいことはわかるのだけど、なんかとにかく雰囲気で押してる感が凄かった
裏切り裏切られ、自分と似てるからこそ好きになるのに信じられない似た者同士
コウモリな健一と要領の良い夏美の「生きるためにはこの人から離れなきゃいけないのに、何故か離れられない」思念のようなものをもっと感じたかったのだけど、あまり感じられなかったのがとにかく残念
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