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(本)噂のストリッパーのtakのレビュー・感想・評価

(本)噂のストリッパー(1982年製作の映画)
2.8
70年代に名子役として人気があった宮脇康之。「ケンちゃん」シリーズは子供の頃に見ていて、家には「ケーキ屋ケンちゃん」の主題歌が収められたオムニバスのLPレコードがあった。ドラマの記憶はおぼろげだけど、主題歌は歌えるレベルで覚えているw。

そんなケンちゃんがにっかつロマンポルノに主演した作品で、森田芳光が監督・脚本、助監督は那須博之。高校生の頃「ロードショー」誌に載った紹介記事で、存在は知っていたけれど今回が初鑑賞。2023年3月でサービス終了となるGyao!で配信を見つけた。

ステージで流される昭和歌謡の数々に時代を感じる。オープニングタイトルでは平山美紀の「真夏の出来事」。ヒロイン岡本かおり演ずるグロリアの登場する舞台では、アン・ルイスの「リンダ」が彼女のテーマソングとして繰り返し流れる。竹内まりや作詞作曲、山下達郎のコーラスが美しいこの曲。近頃のシティポップス再評価で巷で聴くことも多いだけに、こんな場面で使われているのか…😟とビックリ。

周りの踊り子さんたちの「はい、いらっしゃーい!」って明るいキャラとは違って、岡本かおり演ずるグロリアはやや控えめ。しかしプロに徹したいのとお金の為もあり、映画のクライマックスでは"まな板ショー"までするようになる。ケンちゃんはその虜になっていく。

配達バイトで知り合った女性といい仲になるケンちゃん。「蛍の光」を1日の終わりに聴きたがる不思議なキャラの女性だ。ところがグロリアが地方巡業から浦安劇場に戻ったのを知って、「恋人が戻ってきたから別れよう」と言い出す。彼はもはやストーカーではないか😰。

ケンちゃんの声かけを無言でかわすグロリアの冷たさ。ラストはちょっと切ない。ロマンポルノとしての見せ場と青春映画ぽさが同居する。
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