黒柴

ブタがいた教室の黒柴のレビュー・感想・評価

ブタがいた教室(2008年製作の映画)
3.3
答えの無い答えをどう導き出すのか?
人は毎日様々な食物を食べて生きている。
野菜、魚、食肉・・・・。
命ある者の命を断って、それを食べて人間は生きている。なぜ?なぜ?がずっと付きまとう映画です。

豚、牛、鶏はなぜ食べていいの?何で犬はダメなの?小学校6年生が豚を卒業までの1年間育てて、最後は食べるという難しい課題に取り組んだ。
難しい・・・生徒がまず討論を始めるがドキュメンタリータッチで臨場感があって良かった
(^ー゜)

飼い豚をPちゃんと名付け、何で他の豚は食べてよくてPちゃんは食べたらダメなの?こんな疑問から討論して、負のスパイラルに落ちていく教室全体。大人が討論しても答えの無い課題を子供が目に涙を溜めて熱弁してる姿には、いい教育だなぁと感じ、こんな枠にはまらない先生がもっといてもいいのにと思う。

卒業式が近くなりPちゃんをどうするか?食肉加工場に渡す、後輩の3年に引き継ぐの選択肢で、クラスの意見が真っ二つに割れる中、先生が最終的に下した判断は・・・中途半端に終わってしまい残念。責任を持って1年間育てて行こうと判断し食肉にするとクラスで決めたなら、飼育した生き物を「食べる」と言うところまで描かないと、食事の前後に「いただきます。ごちそうさま」の言葉の意味を教える意味でも、この映画の投げかけたテーマがぼやけてしまって残念だった。

食べるところまで描ききらないと映画として弱いなと思うが、たぶんそこまで描かなかったのは出演してた子供達がトラウマで豚肉が食べれなくなってしまうからと言う配慮かも知れない。
黒柴

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