はる

ベニスに死すのはるのレビュー・感想・評価

ベニスに死す(1971年製作の映画)
-
ベニスに日本のような梅雨はないけど、主人公が滞在していたホテルには随所に見事なあじさいの花が生けられているから、鑑賞する時期としては今なのかも。
ご婦人方の帽子も素晴らしくて、少年タッジオの美しさと合わせて、目の保養になります。

美少年に心を奪われるおじさんのお話ですが、性的な興味というよりは、芸術家として美しいものに惹かれるような神々しさを感じました。
タッジオの若くてキラキラした姿とメイクが崩れたおじさんの対比が強烈に印象に残っています。

本当にため息が出るほど美しい少年。彼がいないとこの作品は完成しなかったと思える。
スコアは4.0以上が確実だったのですが、鑑賞後にドキュメンタリー映画『世界で一番美しい少年』でこの作品の舞台裏を知ってしまいました。

作品に罪はないのですが、性的象徴として大人たちに狂わされた彼の人生を知ると、褒めちぎる事がためらわれます。
スコアは一旦保留にして、時間をおいてから考えたいと思います。
はる

はる