okimee

炎628のokimeeのレビュー・感想・評価

炎628(1985年製作の映画)
5.0
音、色、カメラワークや構図、全てがマッチしている。
特に構図は、個人的にだけれども、どれをとっても素晴らしいと感じた。
不気味な音楽に不快な虫の羽音。

はじめは可愛い少年が老人の声色を真似てるのが単に可愛かった。次第にそんなシーンがあったことすら忘れてしまう。

光量が変わってしまったカットも、この作品だと意味深に見える。

森の中で束の間の狂ったしかし美しい夢のようなシーン、牛のシーン、深い霧のシーン、燃えた家の木屑が降り注ぐシーン、、、いや、全てのシーンが必見に思える。

中間をぼやかしたカットも独特。

後半は、2時間で変わってしまった少年と同じく、ガタガタと震えてしまった。

エンドロールなしの本編のみなので、見終わったあとは放り出された感が強く、ぼう然として息が荒くなる。
命の賛歌。
気付けば歯を食いしばってみていた。

2015.10



ドイツ軍が、とか、ヒトラーが、とかではなく、戦争自体が。
しかし、何度撃っても戦争は死なない。
全ては子どもから始まる。
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