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炎628のTnTのネタバレレビュー・内容・結末

炎628(1985年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 「反戦映画というものは無い。映画で戦争を表現すれば、必ずその戦争を美化するような側面を伴ってしまうのだ」とトリュフォーは言ったが、それに唯一NOを言えるのが今作だろう。主観は錯綜してカメラの切り返しは上手くいかない。戦争に合った人間をただただ肖像画として記録しようとしているのか。打ち出されるなんともいえない表情ら、彼らの目線の先にあるこちらの世界はまさに戦争状態ということか。抜かりないリアリズムで描かれる地獄の中、不意にもし戦争の元凶を殺せたらと時間が遡ると、そこには赤子のヒトラーが。過去に戻ることはできないから、彼はまたパルチザンに加わり"進む"しかない。

 グラーシャとの青春の煌めきが好きだったが、後半にそれは失われる。
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