Cleo

リトル・ミス・サンシャインのCleoのレビュー・感想・評価

4.0
「プルーストは人生を振り返り、苦しんだ月日こそ自分を形成した最良の日々だと悟る。幸せな月日はムダに過ぎて何も学ばない。」
終盤、叔父が甥に言ったセリフだ。

車のトラブル、父の破産、祖父の死亡、長男の夢も破れ、旅の最中にこれでもかと災難がふりかかる。
そんな苦難にもめげず、一家は9歳の娘オリーブが出場するリトル・ミス・サンシャインがひらかれるカリフォルニアを目指す。
しかし、会場に着いて周りを見渡せばキラキラして完全に出来上がった少女たちばかり…
オリーブはぽっちゃり体型で、特技として披露するダンスも祖父に教わっただけというなかなかパンクな感じだ。
しかし、もうどうにでもなれ精神でオリーブのダンスシーンに飛び込む家族たちの姿は滑稽だが、旅立つ前にはあり得ないくらいの団結力と愛を感じた。
来年のリトル・ミス・サンシャインにはオリーブに影響を受けたファンキーな女の子が出場するんじゃないかと思えるくらいに、オリーブはこのコンテストにかなりのインパクトを与えたに違いない…。

ともに苦難に立ち向かったからこそ築けた家族同士の絆。
かなりキャラ濃いめの家族それぞれが、お互いに支え合いながら生きている様子は、ぎこちないながらに深い愛を感じられた。
何度観ても楽しめるいい映画だった。
Cleo

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