このレビューはネタバレを含みます
フランクキャプラ監督にハズレ無し。
新聞社をクビになりかけたアン記者は、ジョンドー(名無しの権兵衛に近い名前)という失業者がいて、政治批判の目的でクリスマスイブに市庁舎から飛び降りるという手紙がとどいたというでっち上げの記事を載せる。すると、記事が世間の話題をよんだため、編集長は「こうなったらジョンドーを演じる男を今から雇い、クリスマスイブに自殺させよう」という計画をアン記者とたてて、ゲーリークーパー演じるウィラビーが多数の候補者から採用される。ウィラビーがアンの書いた原稿をラジオで読みあげ、世間はジョンドークラブを次々と立ち上げるというムーブメントにまでなってしまい、お互いを好きになり良心の呵責を感じ始めたアン記者とウィラビー、そして、エンディングは1万5千人もの群衆の前で「ジョンドーは偽物だ」という暴露記事がばら撒かれ、群衆は一転、それまで称賛していたジョンドーに罵声を浴びせ意思を投げてしまう、そして投身自殺を予言したクリスマスイブがやってくるのだが、、、という非常に群衆の狂気が凶器になることを昭和16年に描いた寓話的な映画。