わたしは池松壮亮さんが好きで
この人のおかげでこの作品を知った。
しかしタイトル、パッケージからも伝わる
緊張感のなさ(もちろん良い意味ですよ)から
なかなか時間を作るに至らず
3年ほどが経っただろうか。
そんな長く保留していたせいで
なんと映画よりも先に原作を読破してしまった。
しかしそれがこの作品を観る原動力となり
やっと時間を作ろうと思えたのだ。
原作を知っていると
あーこのシーンはこーゆーふうになったのか、
あれあそこはカットか残念だといったように
ほぼ答え合わせである。
それでも世之介のマイペースな雰囲気や
祥子の育ちの良さなど
原作で思い描いた登場人物のイメージは
まったくそのものだった。
わたしの人生の中に
大人になってふと思い出し
共に過ごしたあの時の感覚へ
すっと戻してくれる世之介のような人は
いるだろうか。
世之介に出会った人々との幸せの違いは
そんな人物と過ごした思い出、
世之介が心にいることにあるんだと
感じた作品だった。