葉野宗介

ヴァージン・スーサイズの葉野宗介のレビュー・感想・評価

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)
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若い人の感性っていうものに対して大人は、幼児が描いた絵を手放しで褒めるように賞賛するか、わからないと断絶するかの大抵どっちかに傾くと思う。28のソフィアコッポラが撮ったこの映画は瑞々しくティーンネイジャーの気持ちを切り取った、と語られる事が多いが、世代が近いんだからそりゃそうだってなる。おじいさんがおじいさんの映画撮ればそれは同じことで、同価値のはずなのだが、人は過去の…そして帰らない思春期をキラキラに描いてほしくて、自分たちにもこんな頃があったと思いたい、どこかにそんな気持ちがあって青春映画は特別なフィルターが確実にあると思う。そして女性が描く少女性は否定しづらい。それは男性には絶対わからないから。そしてこの映画の場合、女性が「ねーわ」って思うようなベクトルの内容じゃない。女の子は気まぐれ子猫ちゃんっていえば、そうなんだ、そうだよねーわかる、とまあなるだろう。
ソフィアコッポラが年齢が上がっていくごとに「言いたいこととか特にないんだな」って思わせる映画を撮っていったように、比較的年齢が若く有名監督の親族っていうシンデレラストーリーが映画の格を上げているのはあると思う。
若者の虚無感、そして男女間や世代間の無理解をベースに、まあまあの掘り下げで撮られたほどほどの映画だと思う。四人で木を取り囲むとか、完全に雰囲気で撮られてると思う。
オーバーに表現したら、否定されるような勝負をしてない映画なんだと思う。
葉野宗介

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