垂直落下式サミング

13日の金曜日PART2の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

13日の金曜日PART2(1981年製作の映画)
3.5
クリスタルレイクの悲劇から2か月後。惨劇からただ一人生き延びたアリスが、大量の血痕を残し、自宅から姿を消す。
数年後、再びクリスタルレイクのキャンプ場に、指導員候補生の若者達がやってきた若者たちが、再び殺人鬼の恐怖に見舞われる。人気ホラーシリーズの第二作目。
前作の犯人であるパメラ・ボーヒーズは、息子の人格になると老婆とは思えない驚異の腕力が発現し、監視員に対する殺意がみなぎって衝動のままにひとを殺すという設定だったが、今回、母の二重人格のなかにのみ生き続けていたジェイソンが、ついに肉体をともなって登場する。
前作でヒロインを演じたエイドリアン・キングは、これをきっかけに狂信的なストーカーに狙われるようになり、自宅のドアを壊されそうになるなど、命の危険まで感じるようになってしまったため、前作を生き残ったアリスは物語の冒頭で殺されて女優業を休業。
そして、有名な「ジェイソン」が登場するのは本作から。主に一人称視点がメインだが、彼は穴をひとつ開けたズタ袋をかぶって顔を隠しており、この時点ではまだ有名なホッケーマスクスタイルではない。女の子に攻撃されてよろけるなど、まだそれほどのパワーは持ちあわせていないようだ。
みどころは、普段ジェイソンが隠れ家として暮らしているジェイソンハウス。お母さんの生首とセーターが飾ってある。マザコン。
ジェイソンを倒すために児童心理学専攻のヒロインが知恵を絞って機転を利かせるが、あんなので身を守れるのかどうかは眉唾ではある。彼女の声に怯むジェイソンは、マザコン加減があらわれていて人間らしい。
セックス中の男女を二人同時にベットごと串刺しにしてしまう残忍さ、窓を割って入ってくるアクティブ性など、シリーズ化していく際に必要なキャラは固まっていないが、ヤル気だけは充分なのが伝わる。