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ペンギンズメモリー 幸福物語のmhのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

コミカルなキャラクターアニメで戦争×PTSD×恋愛もの。
1980年代半ばのサントリーのイメージキャラクターが大ヒット、そのコマーシャルソング松田聖子の「SWEET MEMORIES」も大流行したことひっくるめての企画もの。
プロット量が適切だったのだろう、変に膨らませないシンプルなストーリーで誰もが気軽に楽しめる作り。このあたりは大企業サントリーの手前、思い切ったことができなかった副産物か。
主人公、ヒロイン、それぞれにロールモデルを用意したのが、奏功している。ツイストもそれぞれ一回(当て馬がいいヤツ、親切なおばちゃんの正体)なのがにくいほど適切。やっぱ、ツイストは控え目がいちばんだね。
「デビューを諦める=夢を諦める」という単純な図式にしなかったのがよかった。
「デビューしたいのではなく、ずっと歌いたいのだ」という気づきは、もっとほかの映画でも聞かれるべきセリフだと思った。
モデルはベトナム戦争らしいけど、戦争設定はそこまで重要じゃなかった。
虚脱している描写で、コーヒー飲んでるのは草。サントリーだからこそ、そこは酒にできないのが皮肉。気がつけばすっかり冷めたであろうコーヒーにシュガーポット傾けるのは変な演出。
「大企業とのタイアップ映画」だったり、「世にも珍しいアニメの戦争もの」だったり、「音楽版権の関係でソフト化されてなかったり」で、レア度は高い(でも、youtubeで見れる)けど、戦争映画としての出来はそこそこだと思った。
ベトナム戦争のPTSDが題材で、公開が1985年という先見性は十分すごいんだけれども。
ググってて「SWEET MEMORIES」のカバー曲の多さにびっくり。昭和を代表する名曲がもともとはシングルのB面だったのもすごいよね。
面白かった。
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