ako

東京上空いらっしゃいませのakoのネタバレレビュー・内容・結末

東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

ゴールデンウィークは自宅で映画鑑賞しよう、と、前々から気になってた「東京上空いらっしゃいませ」をVHSでレンタルしたら、ネット情報で、神保町シアターでスクリーン上映&満席続きだったことを知って、まあちょうどいいタイミングでレンタルできたからいいかなあとVHSで鑑賞。

映画の始まりから薄々、そして中盤で確信、ラストで、私の頭の中は、なんで私はスクリーンで観なかったんだー!とはっきり後悔していました。

もうしばらくスクリーンで上映しないみたいだし、とか、スクリーン上映がっつり見逃したし、とかなら悔しくもないのですが、なんでこのタイミング……、と、情弱な自分を責めつつ、映画はとても面白かったです。

若くてやりたいこともたくさんある女の子が、キャンペーンのアイドルになって、不自由どころか酷い環境におかれるのだけど、そこから逃げようとした時に事故で亡くなってしまうのです。

そして、天国のようなところで神様のような人と、交渉というか騙したりして、自分の見た目のまま、この世に戻ってくるのですが、自分の死を知ってる人に会ったら、もうこの世にはいられなくなるというルールも設けられるのです。

だから、大切な人に会えないし、誤解もとけないし、復讐もできないので、観てる側としては結構もどかしくなるのですが、このアイドルは、自分の人生の方向性かえましたー、普通の女の子として生きることにしましたー、というくらいの軽さで、戻ってきてからのこの世を楽しむのです。

このストーリーといい映像といい、妙な安っぽさと、変すぎる感じが同居してるのだけど、それがまたコミカルで良かったです。

カメラには写らないから、自分が本当は死者であることを自覚するしかなくて、でもアイドル時代の不自由さを取り戻すように、せっかくだから楽しもうとする姿はほんと生き生きとしていて、その浮き世離れ感に笑えたりもするけど、やっぱり切ないのはこのアイドルが死者だとわかっているからで、ラストにかけて、現実感がないくらい幸せで美しいシーンを観ながら、この設定だから、この世がこんなに天国のように見えるのかもしれないなあ、と、思ったりしました。
ako

ako