たーぼーん

アヒルの子のたーぼーんのレビュー・感想・評価

アヒルの子(2005年製作の映画)
5.0
実を言うと決して作品の主役である小野さやか監督に共感した訳ではない。大事な自身の家族の問題だからといって、なぜこうも過去の事に拘って死ぬや生きるやという事になるのか、若者というのはこれから自分がやりたい事を一生懸命やってその結果何者になれるのかという事に必死で、監督が実際に持ってしまっている様な悩みに囚われてる暇はないのが普通なのではないのかと個人的には思わずにいられない。
しかし、同じ様な悩みを持つ人達が数多くいるはずだという事も僕もそう思うし、興味はとてもある問題である。
共感出来る事が映画の面白さだとは決して思わないのだが、問題を理解し抱えている人の気持ちに寄り添うという事は、特にミニシアターで映画を観る事の大きな要素の1つである。
本当に観た日の前日位にふらっと思いついて予定に入れたのだが、とても並外れたパワーを持つドキュメントであり、感動して結構泣いてしまった。

とにかく物凄く気に入って、声の届く範囲に精一杯観賞を呼びかけたこの作品、ところが実際大阪十三でのリバイバル上映期間はたった1週間で昨日で終了している。
この作品が再度上映され皆さんが観賞するためには、小野さやか監督が小林勇貴監督にでも頼んで、上映にストップをかけている家族ひとりひとりの殺害を計画するしかない様だが、あまりそうした方面に走らず次回作も上映が始まっている事だし、新たな創作活動などを行いながら、前向きな精神を保って元気にしていただきたい。