たーぼーん

首のたーぼーんのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
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構想30年というのは冗談だと思う。しかし「巨額の予算を使える機会を得たら時代劇をやりたい。秀吉の映画を作りたい」というのは、90年代頃から北野監督はしょっちゅうテレビとかで言っていた。

この映画はやっぱりアウトレイジにイチバン似てるなと感じた。
◯◯◯の表現は北野監督の映画にこれまでもいくつかあったと思うし、それ以外でも戦場のメリークリスマスとかもあるが、観てるうちに思い浮かんだのは「御法度」かな。
あと、秀吉とか3人があーだこーだ会話してるところとか観てて、変な雰囲気滑稽さを醸し出しているところって「バリー・リンドン」の北野監督風なのかなと思ったりして、いやこれは考え過ぎだな、、、、
「その男、凶暴につき」とか初期の映画で拝見できた独特の間が最近の作品には見当たらない事に関しては、以前の軍団とたけし中心で配役されていたのと比べると、今は出来上がった役者を連れてきている事もあり、もういいやとなってしまってるのかなという気がする。
覇者である信長がかなりヤバい奴に描かれている事、木村祐一の曽呂利のキャラや神出鬼没ぶり、ビートたけしの秀吉、北野映画の割に愛知と関西の訛りだらけの映画といったあたりを考えるに、この映画は実はビートたけしがこれまで何十年さまよい冒険し続けてきた魑魅魍魎お笑いの世界又はそれらも含む芸能界全体を、ひどく物騒でデタラメなワンダーランドとして戦国時代に置き換えたという事なのかなとふと思った。