風ノ助

黄金時代の風ノ助のレビュー・感想・評価

黄金時代(1930年製作の映画)
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『アンダルシアの犬』に続きダリと共同制作した映像作品
ダリが途中降板したのでほぼブニュエル作品と言えます、フェチの片鱗も見えました

印象に残った場面は
岩場に立つ司祭たちが次の場面でガイコツになっているところ
火だるまのメイドに無関心なパーティ会場のブルジョワジーたち
仲良くしていた少年に突然発砲する兵士
など

前作に比べるとブルジョワ批判やキリスト教批判、障害者や女性蔑視などの社会批判を盛り込んでいたり、性愛と死のイメージが散りばめられていて意味を感じられるようになっています
ブニュエルは「愛と死は結びつきが強い、姦淫は私にとって恐ろしいものだ」と言っていて性交や裸はエロティシズムではなく不快を表すためだけに使っているのだそう

以前本で読んだんだけど、制作途中でダリと疎遠になってしまった原因はダリの奥さんに「友だちを取られた」とヤキモチを焼いたかららしいです
その後お互い意識はしているのに意地でも会わなかったらしくブニュエルは相当子どもっぽいなぁという印象です
風ノ助

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