風ノ助さんの映画レビュー・感想・評価

風ノ助

風ノ助

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ドリー・ベルを覚えているかい?(1981年製作の映画)

4.0

旧ユーゴスラビアの社会主義体制の下で少年ディーノは多少不自由な思いをしながらもウサギ相手に超能力の特訓をしたりバンドを組んだり年上のちょっとエロいお姉さんドリー・ベルとの初恋を体験したりとそれなりに青>>続きを読む

本日公休(2023年製作の映画)

4.0

台湾に住む中年女性のアールイさんは理髪師さんで成人した一男ニ女のお母さんでもある
人生経験もあり情に厚い母と効率重視の若い子どもたちとは考え方が合わないこともあり疎遠になっている
金銭感覚の違いで離婚
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乱暴者(1952年製作の映画)

4.0

立ち退きを強制する地主に対し法に頼ることができない住人たちは団結して抵抗しようとする
地主は自分に無条件に従う脳筋男ペドロを使って住人のリーダーを襲わせる
お互いが暴力で事を進めようとするので行き場の
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

4.0

ミステリアスなタイトルだけは知っていたけど初めて鑑賞しました
ミステリーではなかったです
人生に行き詰まった男女の悲哀の話でした

流れ者のジーノと田舎の食堂の人妻ジョヴァンナ
色気全開の美しい男とい
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.0

15歳のゲイリーと自称25歳のアラナのラブストーリー
成人女性と未成年の恋愛という設定に倫理的にどうなのと思ったけどそこは激しい恋愛というわけでもなくなんとなく気になる存在でときにヤキモチを妬いたり盛
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12人の優しい日本人(1991年製作の映画)

4.0

会議室の中で二時間会話してるだけの映画
冒頭の飲み物の注文を取りつつの人物紹介上手い、こなれ感がある
中盤以降の強引な展開が戯曲っぽくてどんどんテンポが上がって盛り上がりきってからのピザが届くタイミン
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神の道化師、フランチェスコ(1950年製作の映画)

4.0

清貧と禁欲を理念とするフランチェスコと仲間たちがローマ教皇の謁見から帰ってきてからの10のエピソードを描く
『ブラザー・サン シスター・ムーン』が謁見するまでを描いていたので今作はその後日譚と思って観
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ブラザー・サン シスター・ムーン(1972年製作の映画)

4.0

フランチェスコ会の創設者、アッシジの聖フランチェスコの若き日を描いている
前に観たけど歌とお花畑しか覚えてなかったので再鑑賞しました

フランチェスコは出家前からよく吟遊詩を歌っていて、歌や音楽を使っ
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ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン(2023年製作の映画)

-

キンスキーの後はかわいいヴァンパイアを観たくなったのでかわいい成分だけを吸いました
太眉がかわいいサシャ役のコの名前もかわいい
クルクルのクッキーをレコードにのせてクルクルするのもかわいい
自給自足は
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ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)

4.5

とても好きな世界観で映像も音楽も素晴らしかった
雄大で美しい自然描写はさすがヘルツォーク
マントルピースの装飾やガイコツの仕掛け時計など伯爵のお屋敷の内装も凝ってました

伯爵と眷属たちを乗せた帆船が
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イヴの総て(1950年製作の映画)

4.5

今以上に女性に若さと美しさが求められていた時代の演劇界の内側を描いた作品

40歳を迎えるスター女優マーゴはいつか幕を降りるだろうけどその後の自分がどうなるのか見えない、女優と本当の自分との境目がわか
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お熱いのがお好き(1959年製作の映画)

4.0

芝居しているマリリン・モンローは初めて見たけどかわいいなぁ
ふんわりマシュマロボディでおっとりとしゃべって天然だけど知性も感じられるスウィーティーなシュガーちゃん、あれはみんな好きになってしまう

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不良少女モニカ(1952年製作の映画)

4.0

不満だらけの現実から逃げ出したい17歳のモニカと19歳のハリーが出会う
おじさまたちがカフェで若者の恋の始まりを微笑ましく見守っている
仕事を辞めて家を飛び出しどこかの水辺で二人っきりで過ごす楽しく美
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.5

1990年代、経済大国としての地位を確立した台湾は日本のバブル期みたいな雰囲気だった
「豊かさを手に入れた後、人間はどう生きるか」と孔子の言葉が映し出される
生活の心配をしなくていい富裕層の人たちだっ
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落穂拾い(2000年製作の映画)

4.0

ミレーの絵画から着想を得て現代(2000年)のフランスで「物を拾う人」の多様な姿を記録している

撤収後の市場で食べ物を、収穫後の畑で野菜を、嵐の後の養殖場の側で牡蠣を拾い生きていく人々

拾った物で
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季節のはざまで デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

3.5

冒頭のバスの車窓からの風景に心掴まれる
『デジャヴ』の山岳列車の時も同じような感覚だったけどまるで異世界へ入っていくような不思議な気持ちにさせられました
ここが一番印象に残ってます

廃ホテルも回想の
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ベリッシマ(1951年製作の映画)

4.0

ずっと誰かが大声でしゃべっている賑やかな映画だった、知らなければヴィスコンティの作品とは思えない
ネオレアリズモのスター、アンナ・マニャーニが銀幕に憧れていた自らの夢を娘に託すステージママ、マッダレー
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

人と人との関わりが素敵に描かれたロードムービーに出会えました

恋人の前でずっと無理して大人ぶっていたラウラは恋人に大事にされていないと感じとっていた
二人で行くはずだった旅が一人旅になってしまい、そ
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ドイツ零年(1948年製作の映画)

4.0

敗戦2年後のドイツ
復興の兆しも見えず物資も不足していて人々は食べる物も手に入らず廃墟の中でギリギリの生活をしていた
配給とか闇市とか、日本と同じって思った
当たり前か

エドムントは就労許可証を持て
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戦火のかなた(1946年製作の映画)

4.0

連合国に降伏後ドイツ軍に占拠され戦闘地となっていた頃のイタリア
戦火の中でも人々には生活があり人間ドラマが繰り広がる

6話のオムニバスで構成されていてドラマとしては1話目がよかった
アメリカ兵とイタ
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スサーナ(1950年製作の映画)

4.0

嵐の夜、少年院を抜け出し農場へ逃げ込みまんまとそこで暮らし始めるスサーナ
男たちはスサーナの性的魅力に惑わされ信心深い一家の秩序が壊れていく
わかりやすいテオレマみたいな話だった

スサーナが少年院で
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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

4.5

19世紀半ば ユダヤ教徒一家の幼い息子エドガルドは両親の知らないうちにキリスト教の洗礼を受けたため?カトリック教会に拐われ??ローマ教皇の元へ連れて行かれました???
頭の中が?でいっぱいになりました
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ニューヨークの巴里夫(2013年製作の映画)

4.5

クラピッシュの青春三部作三作目
グザヴィエの人生は相変わらずグダグダで周りに流されてウソみたいにいろんなことが起こる

ファーストシーンから走る走る、何度も疾走してた
レズビアンの友だちに精子提供をし
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エレニの帰郷(2008年製作の映画)

4.0

エレニと夫、彼女を思い続ける男、1953年のスターリン終焉の年から激動の時代を生き抜いた3人の物語、そして2000年現在のエレニと息子と孫娘の話が交互に進んでいく

『エレニの旅』に続く三部作の二作目
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女群西部へ!(1951年製作の映画)

4.0

西部の大牧場の100人の使用人たちが嫁が欲しいと要求する
牧場主と警護のバックはシカゴまで行き15人の男を雇い140人の女性(旅は過酷なので多めに見積もって!)をカリフォルニアまで運ぶ

道中恋愛禁止
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その女を殺せ(1952年製作の映画)

4.0

重要な情報を持っているため殺し屋に狙われるマフィアの未亡人を列車で護送するという列車内ワンシチュエーションサスペンス

命を狙われてるのになんで鍵をかけない、なんですぐにドア開ける、なんでそこでごまか
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

4.0

思ってたのと全然違った
考えてたら置いてかれるのでとにかくついて行く

たぶん監督も撮るの楽しかっただろうし参加した俳優たちも楽しかったと思う
菅田将暉と窪田正孝は作品の理解度が高くてもうそういう人に
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.0

世の中には子どもに無責任な親がいてそういう映画もいくつか観てきたけど大概がじめッと暗い映像なのでこんなポップな色彩で描かれているのは新鮮だった
ただドキュメンタリー風に進んでいくので集中力が途切れるこ
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私がやりました(2023年製作の映画)

4.0

殺人容疑を逆手に利用し時代の波に乗る美女二人
『シカゴ』と設定が似てるし時代も同じくらいかな、シスターフッド関係にある若い二人がかわいかった
男性上位社会に釘を刺す社会風刺コメディにもなっていてエンド
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ウンベルトD(1952年製作の映画)

4.0

30年間公務員として働いてきたのに老後に受け取る年金額では生活できないという破綻した状況にある戦後のイタリア
きっと物価が上がってるのに支給額が据え置きなんだろうな、国民を養うことができなくなってるの
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自転車泥棒(1948年製作の映画)

4.0

父と子の悲惨で切ない話ではあったけど想像していたほど陰鬱ではなかったかな、微笑ましいシーンもあった

主人公アントニオは自転車を持っていないのに自転車が必要な仕事をもらってきて家でキレて妻に助けてもら
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教皇選挙(2024年製作の映画)

4.0

カトリック教会の新教皇を決める選挙コンクラーベ
外部からの接触を一切絶った礼拝堂の中で何が行われているのか、俗っぽい好奇心で興味津々でした
みんなが興味のある教皇選挙を題材にして権力への執着、人種の多
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NIMIC/ニミック(2019年製作の映画)

3.5

音楽の存在感が強い12分間の短編
中年の男が電車で話しかけた若い女に家の中まで追いかけられるが家族は二人を見てどっちがお父さんなのかわからないと言う
そしてついに…という非現実的なお話です

私たちの
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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

4.0

トラと漂流する場面映像がよく知られているけどただのサバイバル映画ではなかった
暗喩に満ちていて考察好きの人にはたまらないだろうし深掘りしなくても幻想的で不思議な映像が魅力的なファンタジー作品として楽し
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.5

地上波で鑑賞
鬼太郎にはそれほど思い入れはないけど水木先生と妖怪は好きです
横溝正史(または京極夏彦)風の既視感のある設定だけどやはり金田一さんや京極堂さんみたいな謎解きをする役割の人がいた方が面白い
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ザ・ルーム・ネクスト・ドア(2024年製作の映画)

4.0

アルモドバルが人生の終盤期を描いた『ペインアンドグローリー』に続いて、人生の終わらせ方を描いた今作
登場人物は末期癌のマーサと疎遠になっていた友人のイングリッドのほぼ二人だけだけど終盤のマーサとは対照
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