ぜにげば

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃のぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

☆2回目の鑑賞
めっちゃ話難しいなー。
前作よりも更に政治色が強い。
前見た時は何となくの流れを汲み取りながらジェダイは味方、シスは敵っていう目印にして勧善懲悪的に見ていた節がある。
でも今回見てみて、やっぱり暗黒面の何が悪いのかさっぱり分からなかったし、ジェダイ(ヨーダ)の判断にも訝しまずにはいられなかった。
スターウォーズの一番の凄さってまさにここで、子供が見たら勧善懲悪として楽しめるし、大人が見たら政治劇として楽しめる、レンチキュラー的な性質を持っているところなんじゃないかなと思う。(二面性って言い方を選ばなかったのは、同時じゃないと思ったから)

なんなら正直、暗黒面の方が良くね?とすら思ってしまっている。
暗黒面が拡がった状況ってノーリスクでフォースを鈍らせるんでしょ?堕ち得じゃん。
『マギ』の堕天って概念も中盤以降「何がダメなんだろう?」に立ち返ったりしてそれが面白かったんだけど、今後もし暗黒面を利用するジェダイが現れたら興奮しちゃうな。
ある種ドゥークー伯爵がそうだったのかもしれないけど。
彼はジェダイに不信感を抱いて行動したんだろうし。

てかジェダイ本当に変だ。
前作ではアナキンをパダワンにすることについて慎重でオビワンの「遺言なので」に押し通されて認めた感じだったのに、今作だと逆転してて、オビワンのみアナキンの傲慢さとかについて慎重になってる。
ジェダイの面々ブレブレじゃない?
クワイガンも前作見る限り無能に思えたし、そのクワイガンの「シスが復活してんじゃね」って忠告をジェダイは無視してクワイガンはモールに殺されたわけだし、そりゃドゥークーも分離したくなりますよ。

スターウォーズを軽く一周した経験しかないからまだまだ深みには気づけていないけど、やっぱりパルパティーンの一挙手一投足は見逃せないし、見逃さんとする鑑賞態度が楽しい。
本当の狙いとかはまだ現段階では分からないことが多いけど、めちゃくちゃ装ってるなぁってのは伝わる。演出がいい意味で露骨に怪しいのと、第一のプランが破綻しても第二第三のプランがあるのが感じ取れるパルパティーンの底知れなさに対して尊敬の念すら抱いちゃう。
ビンクスの代議員としてのパルに非常時大権を与えんとする動議は、結果としてヨーダがクローン兵を即利用して友達であるオビワン達を助けれたからファインプレーではあったけど、パルパティーン的には軍を設立したかったんだろうから、やっぱりパルパティーンすごいなぁと。(それはそうとあんなに慎重に議論してたのに途端にクローン兵引き連れるヨーダ意味わかんなすぎ。何が味方で何が敵か分かんなくなるわ。)
主観で描かれる面々の一つ一つの判断が、次の展開の為には正しい選択だとしても、長期的に見たらどんどん破滅に向かっている感覚がマジで面白い。
描写は少ないけどアナキンの発言とかからも、パルパティーンはアナキンと既に密な関係で、恋愛相談とか受けてたのかなとか思うと面白い。その辺の細部も作品を見ていけば分かるのだろうか。

あとやっぱり今作も乗り物シークエンスが楽しかった。
オビワンとジャンゴのチェイスは見応えあった。
小惑星帯に突っ込む展開とか、ぺったり逆側面に張り付いて隠れる感じとか、完全にセルフオマージュなのも楽しかった。
オビワンの乗り物の基地と機体が一帯となってる(基地かどうかは知らんけど)感じかなり刺さったし、ジャンゴの乗り物は言わずもがな。
クローン大戦が始まるとかよりも、目の前でジャンゴの首を落とされたボバの方にワクワクしちゃう。
個人的にはデータが消されてると発覚した瞬間のゾクゾクと、そこからジオノーシスに行くまでのジャンゴvsオビワンサイドが今作のメインディッシュだった。
交互に映るアナキンパドメイチャイチャサイドはまじで退屈だった。

てか普通にアナキンストレス要素に感じてしまったな。
前作と違ってビンクスは大人しかったしなんなら頭良さげな雰囲気するでてたけど、アナキンの結末なんてわかった上で分かりやすく、悪く言えば記号的に傲慢さが目立つのが残念だった。
母の復讐した後の「女も子供も殺した」とかわざわざ言わなくていいよって感じだし。

毎回書いてる造形面の話をすると、もう完全に特撮的な嘘の無さは消え失せたな。
ただCGはちゃんと進化してる気がするし、新しく出てきたキャラクターの造形はかなりいいものが多かった。
闘技場的な場所で出てきた三体の猛獣は全部良かったし、特に蜘蛛?カマキリ?みたいなやつの顔がたまらなかった。既視感めっちゃあるんだけどなんだったかなぁ。

小ネタというか、過去作に出てきたワードがまた出てくるとやっぱり嬉しい。
「ガンダークの巣に落ちて…」とか、前に調べてガンダークが強い生物ってのを知ってたからちゃんとピンチに陥ってたと分かれた。
4でルークが発ったモスアイズリー港も出てきたり、ドゥークーの乗り物が使徒みたいだったり細かいところを書けばキリがない。

不満としては先に書いたアナキンストレス問題と、話が流石にちょっと難しいくらいで意外と無いけど、一つ気になったのは母の葬儀の時の父のセリフ。
字幕で見たけど「男が望みうる」って言い回しめちゃくちゃ気持ち悪いと思った。
「私が」じゃだめなのか?
男尊女卑的な発想が根底にあるセリフだと思う。
あともう一つ、最後のアナキンとパドメのキスが生理的に受け付けないキスだった。普通のキスしてくれ。洋画のキス吐き気するわ。

そういえばアナキンの虐殺を察知したヨーダの「あのスカイウォーカー」てセリフ、すごく気になったな。
アナキン意外のスカイウォーカーがこの時点で既に?
ヨーダ長生きだし先祖と関わりあったりするのかな。
456が先に公開されてるからそういうセリフにしちゃったってわけでは…ないよね?
まあ特に深い意味が無いならそれでいいんだけど…。
スターウォーズマラソン楽しいですなぁ。


~メモ~
・スパイス
ドラッグを作るための物質
・アンシオン
銀河系の惑星
・ジャミーラ女王
現ナブー女王
・タイフォ
前作のパナカの跡を継いだナブーの護衛 同じく黒色人種
・ジャワジュース
バンサの皮と発酵した穀物を合わせたタトゥイーン原産の飲み物
・サブテレル
アウターリムにある、カミーノに近い惑星
・カミーノ
クローン作られまくってた海洋惑星
・リシメイズ
この惑星の12パーセク南にカミーノがある
・パーセク
距離の単位 ハン・ソロの発言は後々
・ヌート ガンレイ
1から4回最高裁に裁かれて尚通商連合のトップ
・ラマ スー
カミーノ首相 モデルの極地みたいな体型
・サイフォディアス
生前にクローンを発注したジェダイマスター
・パロ
パドメの元恋仲
・ボグデン
インナーリムの惑星 この星の衛星でティラナスがジャンゴをクローンの遺伝子提供者にスカウト(とジャンゴが言った)
・タスケンレイダー
サンドピープルの別名?一種?アナキンママに拷問し、アナキンに根絶やしにされる。
・分離主義勢力の仲間たち?
①コマースギルド
コマース(貿易/取引/通商)のギルドや。知らん。
②企業同盟
企業の同盟。そのまんまや。
③テクノユニオン
テクノのユニオンや。専門用語多すぎ。分離主義勢力のドロイドはこいつらが手がけたらしい。
④銀行グループ
はい。
・ジオノーシス
アウターリムの砂漠惑星 今作最後の舞台 タトゥイーンから1パーセク
・ジオノーシアン
ドロイド製造に長けた虫種族
・ポグルザレッサー
ジオノーシアンの大公的なひと。見た目好き。









2020年4月20日 DisneyDELUXE 1回目 点数不明
これが見たかったんだよ!
そうそうこれこれ!こういうジェダイの騎士達の団体戦争が見たかった!
そして何よりヨーダの全開戦闘。かっこいいなぁ。
それとユアン・マクレガー演じるオビ=ワン・ケノたービの雰囲気が好きだな。
アナキンの闇堕ちフラグがかなり露骨にたち始める今作、多分次回作で闇堕ちするんだろうな。
そしてレイアとルークの母親がパドメなのかな?まあ間違いなくそうだろう。
サミュエル・L・ジャクソン演じるマスター・ウィンドゥみたいなポジションの実力者も大好物だし、個人的にかっこいいが詰まった作品だった。
何気にちゃんとC3POとR2-D2が行動を共にしたのは今作からだな。
ボバ・フェットの父(クローン)ジャンゴフェットとか、色んな作品の繋がりが見えてきてどんどん面白くなる。
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