mh

ブラックパワーミックステープ〜アメリカの光と影〜のmhのレビュー・感想・評価

-
スウェーデンにあるテレビ局の地下室で発見されたアメリカにおける黒人差別問題周りのドキュメンタリー映像を時系列でまとめたもの。
こういったものは、どこかで見たことあるものをつなげてできていることが多いけど、この映画に関してそれはない。
良く言えばフレッシュだけど、悪く言えばとりとめがない。
ただ、当時の反体制活動家たちの魅力的な横顔が見られるので、それだけでももと取れてる。
人物では特に、ストークリー・カーマイケル(「ブラック・クランズマン」に出てきた)、ボビー・シール、アンジェラ・デイビスについて。カリスマがダダ漏れててみなさんかっこいい。
テーマがありきのドキュメンタリーではないので、伝わってくるものが少ない。貴重映像をつなげただけなのがなんとも歯がゆい。
1970年代のベトナム終戦からの麻薬禍についても触れている。生まれながらにして離脱症状に苦しんでいるという、ヘロイン中毒患者が生んだ未熟児の映像が衝撃的だった。
気になって調べると「クリスチーネF」も1974年頃とのことなので、ヘロインが世界的な流行を見せていた頃なのかもしれない。
で終盤は、黒人ビジネスについて。これにはスパイク・リーの映画製作なんかも含まれているようだった。
黒人差別問題の全体を捉えるにはふさわしくないけど、いろんなドキュメンタリーの副読本みたいな位置づけで再生する分にはこれ以上ない一作だと思った。
面白かった。
mh

mh