びらびらマン

フルメタル・ジャケットのびらびらマンのレビュー・感想・評価

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)
4.6
戦争への狂気が超絶パワハライズム通り越してコメディへ昇華している🪖

「狂ってる」という感情や「狂気」は蚊帳の外から見ると面白く感じれてしまうのですかね。Twitterとかで回ってくるやばそうな人とかは実際その場にいると怖いと感じると思うのですが、実際のスクリーンを見ている自分との距離感があるから笑えるというわけです。
自分は本作にもそれを感じていて、戦争との距離がある、平和な日常があるからこそ、前半部分の狂っているとしかいえないパートで爆笑いしたのだなと笑笑

ただ、キューブリックはやっぱりすごいとしか言えないです。
今見ても全く古くないフレッシュな映像に「コメディとしての面白さ」「画のかっこよさ」「戦争の狂気・辛さ」が同居しているし、それぞれが作品を唯一無二のものしています

ハートマン長官の語彙はさることながら、ベトナムの長官の語彙もこの世の汚物の集合体みたいで、この世界の長官は汚い言葉しか吐けないのか、、と頭を抱えながら腹も抱えました

というか、ラストのシークエンスのベトナムの狙撃兵の場所に「行くな行くな」と言いながらも突っ込んで行って無事死亡するシーンも普通に笑っていいんでしょうか、?(自分は笑った)
というか、このなんとなく笑える滑稽さはキューブリックから見た戦争や争いに対する嘲笑の意が大きいのかなと感じた。

前半があまりに素晴らしすぎて後半がやや霞みますが、それでもお釣りが来まくる傑作

「フルメタルジャケット」は二面性の象徴かあ、、☮️