Nao

フルメタル・ジャケットのNaoのレビュー・感想・評価

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)
4.0
兵役ってなんなんだろうなあ。
この映画で描かれていることがまるっと事実はないのだろうけど、優れた兵隊になるためには、倫理観や人間性を失わなきゃいけないのは、おそらくその通りな訳で…

人が虫ケラのように死んでいく殺し合いを見せて戦争の悲惨さを描くわけじゃなくて、人を壊すことで、戦争の狂気を描いたキューブリックはすごいなと改めて思う。

誇張と皮肉が満載だけど、とてもリアルに感じてしまう。









以下ネタバレ










前半の罵詈雑言訓練なんて序の口。口は悪いけど、軍曹はめっちゃ優しい。レナードというお荷物キャラを入れて、見ている側に不安を煽っておいて、中盤にしかもあんな形で殺すなんてドSすぎる。
戦地にいった後も、どこか頭のネジが飛んだような人たちばかりで日常とのギャップが大きく、感覚についていけない恐怖がじわじわ。
味方を3人も殺されるスナイパーが、蓋を開けて見たらよくわからん女の民間人みたいな人だった時の自分達は何と戦って死んでいくのか感がすごい。
ジョーカーは観客の目線に近い立ち位置でずっといるゆえに、ラストのミッキーマウスマーチをバックに悟りきっちゃう感覚がスッと入ってくる。マウスという単語は劇中でもちょいちょい言われていたこともあってミッキーマウスマーチがなんかすげぇ怖い。
Nao

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