公園のアスレチックを走り回る3歳児。あっという間にいなくなるから片時も目を離せません。そんな3歳児が、走りながら時折右の手のひらを見て何かしゃべっている。何をしているんだ?
もしかして…
新手のシャイニングなんじゃないの?
ドキドキした。
後で聞いてみた。
右手見てたのあれ何?
3歳児「スマホ」
こいつ、ナビ見て走り回ってやがる…
この映画は、スマホがあれば避けられていたと思われる事件のお話です。
「世界的巨匠老いたりの失敗作。興行も不振」
マレーネ・ディートリッヒとの名コンビでうたわれた往年の名監督ジョセフ・フォン・スタンバーグの作品。
私がこの映画に興味を持ったのは、1945年から1950年に太平洋マリアナ諸島に位置する孤島アナタハン島で起きた「アナタハンの女王事件」を知らなかったからに他なりません。
孤島に取り残された32人の男と1人の女の共同生活。終戦の事実を信じず、異常な状況下での5年の歳月。そこには『蠅の王』のような恐ろしさは無く、脆い秩序と力に溺れる弱い人間の姿だけが描かれていました。思ってたよりマイルドな仕上がりでした。