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仁義なき戦い 広島死闘篇のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

改稿します。まずロケーションについてかたる。広能。前作からトタンおちぶれスクラップ置場の番人という設定もすばらしく。まるで墓ほり人。野犬ばかりの町も荒涼としている。殺人鬼山中正治の最初のミッション現場も造成地のプレハブ飯場だし。川谷拓三の惨殺現場は無人島。大友長次の背景にはいつも原爆スラムがひろがり。トドメは人類滅亡後のようなスラムのはずれ。その廃屋。潜伏し警察の警報アナウンスのなかでの山中正治の自決。ラストカットもくずれおちたイラク古代遺跡のような山中正治の墓。からの。原爆ドームへのワンシーンワンカットのながまわし。本作とことん絵的に暴力の暗黒面を表現している。次に北大路欣也梶芽衣子成田三樹夫はじめキャストについてかたる。シリーズ本作以外があつくるしいゾンビならシリーズ中本作のみレプリカントにたとえたいほどクール。最後に挿入される歌や音楽についてかたる。これも素晴らしく。場末の昭和歌謡なんだけどジャズやaorそれも近未来感覚にきこえる。東映実録路線の汚物が突然変異的に結晶したようなうつくしさで。時計じかけのオレンジやタクシードライバーにならぶほどのサイバーパンク感。ターミネーター2エイリアン2ゴッドファーザー2をこえる奇跡のパートツー映画。
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