uekkey1981

ウォール街のuekkey1981のレビュー・感想・評価

ウォール街(1987年製作の映画)
3.8
最近この手の作品は若干敬遠気味だったのだが(観ると余計疲れそうなので)、これは秀作だと思った。
舞台はビジネスの世界、しかも金融界の中心とされるウォール街なのだが、コンセプトは「父の教え」だろう。といっても、この「父」とは実の父親だけではなく、いわゆる「父なる者」のことである。「父なる者」たちは、「欲に生きることを至上とする」立場と「高潔に生きることを善とする」立場からそれぞれ若き主人公を導こうとする。
そして、本作を佳とされるところは、一見悪役と思われる前者の立場をとる「父」(マイケル・ダグラス)が、単なる自己中心的な悪役ではなく、あくまでも「息子」(チャーリー・シーン)への無償の愛を施す(ある意味では)イノセントな存在として描かれている点にあると思う。
繰り返して言うが、本作は個人的にかなりお勧めできる作品なのだが、たった一つだけ、最後の公園のシーンだけはものすごく惜しいと思うポイントだった。
私は、正直あのシーンは余計だったと思う。なぜ、あえて「息子」が引導を渡さなくてはならなかったのだろうか。あれでは単に死なばもろともということにしかならず、物語の筋として全く美しくない。何ごとにも白黒はっきり付けなければ気が済まないあっちの人らしい発想なのかもしれないが。。。
uekkey1981

uekkey1981