蒼井優のラストのダンスが素晴らしい。ドラムの勇壮な連打に負けないターンの連続、踊りの最後の笑顔が本物であることを伝えてくれる。スタントやCGでごまかしがきかない動きで、蒼井優はそのプレッシャーを跳ね退けて輝いていた。
母親役の富司純子がまた、強く厳しい感じで好演。表面的には優しさをあまり見せない母ですが、逆に優しさを感じさせる。やはりキャリアがあるから演技に深いものがあるのだと思います。
しずちゃん。初めの登場シーンで父親役の志賀勝に連れられて来る。しずちゃんとボクシングつながりで志賀勝を輪島功一と間違えてしまった。
志賀勝162cm。しずちゃん山崎静代が182cm!小柄な親父に大きな娘は笑うしかない。その上引っ込み思案で恥ずかしがり屋でキュート!もうこれ以上のキャラクターはないでしょう。アニメ映画「SING/シング」の象ミーナみたいだ。
松雪泰子、ひたすらカッコイイ。絵になる人ですね。主演というか、引き立て役ですよね?豪華な引き立て役です。
方言がまたいい。福島弁になるのでしょうか。蒼井優が友だちと話す冒頭のシーンも温度があってあたたまります。
時代が変わっていく時に、乗りおくれるのは男達なのでしょう。戦後も立ち直るのは女達の方が早かったようです。それでもこの映画の男達はしぶしぶながらも応援してくれます。その情けない感じがリアルでした。
苦境を乗り越えるとはこういうことなのだろう。観ていて涙が出てしまうシーンがいくつもありました。また観たい映画。