なすび

海角七号/君想う、国境の南のなすびのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

たしかに脚本も演出も粗がたくさん目立つのだけれど、それ以上に、なにか不思議な力を持っている映画だった!

なんとなくこの監督の好きなもの、興味があるものがすごくいいと思ってて、この人には台湾人の映画を作る人としての覚悟があると思う。原住民族出身の人とか、客家人とか、日本との関係とか、今の台湾の内のことをいろんな面からよく理解しようと考えている。年齢もおじいさんおばあさんから子どもまでいろんな立場のキャラクターをたくさん出すのがいいと思う。台湾人のもつ情緒的な部分をすごく細やかにかきなでているようなところが、台湾でこの映画めっちゃはやった原因なんじゃないのかなぁ。

台湾の人と話していると、やっぱり台湾って日本と全然ちがう国だな、もちろん中国とも全然ちがうとよく気付く。(そしてそれ以上に台湾人の中にもいろんな人がいることにも気付く、頭では当たり前のことだと理解できるけど、実際体験しないと私は分からない鈍感太郎なので…)

台湾の中によく日本のことを知っている人、興味がある人、日本語を話せる人がいて、他の国の人よりも、少しだけ日本に特別な親密感を持ってくれている感じがある。もちろん歴史的な背景は大きいけど、もし、海を隔てた小さな島同士に、惹かれ合う何かがあるのならとてもうれしいなと思ってる

むむむ

ロマンチックなのだ〜海と時を越えた手紙も、現代パートの「行かないで」のハグも…。私も絶対これからはほしいものにほしいって言うようにします。がんばります…

キャストさんたちもみんな魅力的だ〜!この監督の選ぶ人が好きだ
まず、大大(ダーダー)!エレベーターのシーンから恋に落ちた、、、可愛すぎる…台湾の小さい女の子たちはすっごくかわいい!自分が可愛いことを知っててお姫様みたいに振る舞ってる。大人になるとなんかちょっと微妙になっちゃうんだけど…少女のときの束の間の甘ったるい声の出し方とツンとした表情が媚態を帯びてて…。
ダーダーのお母さん役の人も、本当にダーダーのお母さんかと思ったの顔してた笑
お母さんが夜の海辺で後ろからダーダーを抱いて頭を乖乖してるのめっちゃすき〜

主人公の人は顔濃ゆいイケメンだな〜って思ったら、アミ族の人らしい。実際歌手で、歌聴いたらかっこよかった!警官の人もルカイ族の人らしいし(香港人みたいに見えたけど!)原住民族の人の見た目、味があっていいな

そういえばeggplanteggのPVに出てた呉朋奉が出ていて嬉しかった!この人顔いかつい渋いけど親しみやすいおじさん〜日本でいうたらエンケンさんみたいな感じする!笑

三つ子出てきたのやばかった笑

客家人出てきたのも新鮮だった!客家人といえばお金や、いろんなものをため込む人ということで台湾の中でもバカにされたりする存在らしい。中国のユダヤ人と呼ばれたりもする笑 客家人には客家語がある。


そして虹がまた出てきました…!セデックバレでも、セデック族が虹の向こうに祖先が見守っていると話している重要なモチーフになっていた。虹のこちら側とあちら側に、思いが伝わるといいね。

台南の市長ウンヌンの、なんかガバガバな感じもリアルそうでよかった笑 台湾では南によく金持ちが住んでるらしく、しかも脱税とかわるいことをみんながしてて見逃されてるみたいなところがあるらしい。なんだかここも日本と全然ちがうところだ!台湾にはめっちゃお金持ちの人と、めっちゃ貧乏な人が多くてふつうの人が少ないらしい笑日本と逆だね。

(追記)
最初演出に粗が多いと言ったけど、それは違ったわ。この監督の演出はけっこう細かい。主人公がバイクを走らせるシーン(横移動)と、過去の回想で日本人が歩き去るシーン(縦移動)を重ねるところ2つの違う時代が同じ台湾という場所で交わることを表していてなど、すごく見てわかりやすいいい演出だって気づいた!!
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