これはかなり苦手。ストーリーは置いておいて、編集で画面を歪ませたり淡くしたりと、これを映像美とは呼びたくない。アプリでの加工が日常的になってしまったゆえに、本作の技法が陳腐に見えているだけなのかもしれないが、おそらく公開当時の97年に観てもあまり良い反応は出来ないと思う。確かに絵画のような構図は魅力的であるが、芸術映画の美しさはこのようなものではないだろう。近年のゴダール作のような、実験映画として画面を過剰に加工するとかなら良いと思うが。こういうのを見せられるほどに、タルコフスキーの偉大さが増すばかりである。