マザー、サンの作品情報・感想・評価

マザー、サン1997年製作の映画)

MOTHER AND SON

製作国:

上映時間:73分

ジャンル:

3.9

「マザー、サン」に投稿された感想・評価

非自然の時間 海を感じる音
蒸気機関車が森に消えて
建物の内と外の意識 暖炉の薪の音 
ソクーロフの雷鳴 光を覆う雲
母の記憶 息子の夢 死が訪れる
微かな変化が生命を伝える
海を往く帆船 指にとまる蝶
静かな時間が流れる
漆

漆の感想・評価

4.0
京都みなみ会館の旧館で最後に観たのが父と娘だけの黙示録『ニーチェの馬』だった。新館で最初に観たこの映画は母と息子だけの創世記のように思えた。
Ryotal

Ryotalの感想・評価

4.5
母親と息子。息子が赤ちゃんの頃は、母親に抱かれ、寄り添って寝かしつけられ、哺乳瓶でミルクを与えられる。そして、母親が病気になったり、晩年になると、今度は息子が母親を抱き上げ、寄り添って眠りを見守り、吸い飲みで水を与える。山を登ったら降りるように、世話をし、そして世話をされる。後半、息子が一人で山に登っていくシーンは、『エレファント』同様に、ゆっくりと考え、消化する時間を与えられる。マザー・サンの〈サン〉を太陽だと思っていたが、息子のことだった。木漏れ日や印象的な太陽のシーンが多いことからも、抽象的な意味での母親と考えるのも、あながち間違いではない。
ここんところ数多くのソクーロフ作品を観たが、芸術性・叙情性・分かりやすさ 等を総合して最も完璧なのが、この「マザー、サン」ではなかろうか。
守衛

守衛の感想・評価

4.0
7日目。
『マザー、サン』、『ファザー、サン』、『チェチェンへ』。

『マザー、サン』が特に素晴らしい。死に逝く母親、看取る息子。時間がないのでまとめはいずれ。タルコフスキー賞も然もありなん。
TJ野

TJ野の感想・評価

4.0
夢の中にいるような、ぼんやりして歪んでいる画像が新体験。タイトルの通り、母と息子以外は存在しない世界。外界との繋がりを思わせる列車や船は遠くかなたに見える。特殊な映画だからこそ、理想的な家族関係という本質が浮き彫りになるのかもしれない。
高田A

高田Aの感想・評価

-
多くの人が母親というものはいつまでも元気でいるはずだなんて幻想を持っている。僕もその内の一人で、あらゆる人間が死から逃れることは不可能と知りつつ、将来迎えるその時をどこかで他人事のように感じていた。しかし最近、母親の弱さみたいなものを目にしてしまい、「死」を意識してしまう瞬間があった。母親に対して無条件の親子愛を感じている訳ではないが、身近な人の最期というものはあまり想像したくない。

この映画の大部分で息子は瀕死の母親に付き添っている。生のにおいを感じさせないほど痩せこけてしまった母親を抱きかかえ散歩に出かける場面に、自分と自分の母親を重ね合わせることの強烈な拒否感を抱いてしまう。体重というのは直に感じられる死の基準だ。想像以上の体重の軽さに、自分は顔色ひとつ変えずにいられるだろうか。想像によって導き出される答えはいつだって簡単に崩れ去る。だがこの疑問に辿り着けたことにささやかな意義を求めたい。


それにしても、なんだってこんなロバートの「最終段階いよいよセンター」みたいなところで暮らしてるんだ。寂しすぎるよ。
Keny

Kenyの感想・評価

4.2
赤子のように小さくなった母を抱きながら、母と息子だけの精神世界を散歩する。

あの山々のざわめきの中、ひとり苦しむ息子を思い出す。
じわあっと、じわあっと、心全体を濡らすような映画です。

母と子の距離感って近すぎて歪んでたりする。うん、観る側にストレスをかける撮り方だ。
SKE

SKEの感想・評価

4.0
ベリーニの《牧場の聖母》における赤子を抱く構図や晴天が生のイメージに直結するものであるとすれば、この風景はまさしくその対極にあり、老母を抱く息子や曇天は死の予兆である。
リズムが体に馴染んで、超心地よくなって来たところで、終わってしまった。もっと沈んでいたかった。

風の音、犬の鳴き声、羽音
>|