ヒト

映画ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜のヒトのレビュー・感想・評価

1.0
緑の巨人伝が壮大なズッコケ映画だとしたらこちらはどこまでいっても虚無が広がるクソ映画。曲がりなりにも、丁寧な作画や美しい美術など見どころのあった緑の巨人伝と違って、これは見どころというのが欠片の一つもないまま弛緩した話が続いていくのでよっぽど苦痛である。
緑の巨人伝も展開の遅い映画だったが、こちらは40分もたってものび太が家の居間にいる。導入がトロすぎる。そして映画が残り30分となってもまだ何も事件が起きない。もはや前衛映画のようななにかである。
傑作を作ろうとして大失敗してしまったのが察せられる緑の巨人伝と違ってこちらはもはやマトモな映画を作ろうという意気込みすら感じられない。なんとなくそれっぽいものの詰め合わせで間に合わせただけだ。
昆虫を題材にしたプロローグから、なぜか恐竜に話題がシフトし、恐竜映画と思わせといて主張は家族の絆だという。非常にプロットが混乱している。場当たり的に要素を詰め込んだだけなので一貫性がないし、その場当たり的に語られる安易な家族愛の主張はもはや腐臭すら感じる。
さらにいえば、のび太一行のセリフなどが、場面やキャラクターにそぐわない発言に感じられるものが多く、違和感を多々覚えた。まるでドラえもんの二次創作のようだった。「ドラえもん作品」にすら達していないという点において本作は堂々のワーストドラ映画に選んでよいだろう。
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