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愛・アマチュアのsのレビュー・感想・評価

愛・アマチュア(1994年製作の映画)
3.5
同じニューヨーク舞台、ダークネス。どいつもこいつも相変わらず淡々としていて、どの人物にも感情移入できない。アンビリーバブル・トゥルースのラストとかトラストミーとかもそうだけど、物陰に隠れて身を潜める人物たちの緊張感漂う室内のなんとも湿っぽい空気がうまいよね。地面に倒れる主人公を目の前にしたエレナが慌てて立ち去る冒頭の路地裏のシーンとかすごい。イザベル・ユペールの良い意味で幽霊のような浮遊感や静寂さが、物語に絶妙なバランスを保たさせているような。音楽の使い方もさすがハルハートリーでビデオ屋ではマイブラのonly shallowが流れたりする。ちょっとこっ恥ずかしいけど。だだっ広い野原で、なかなか倒れない男を無心で何度も銃撃するシーンにはもはや美しさすら感じてしまい、悪魔のいけにえのラストでチェーンソーを振り回すシーンまでとはいかないけれど限りなくそれに近い奇妙な感情。全員の共通項である「ポルノ」性をもう少し色濃く描写して欲しかったという気持ち、でもそれを描いてしまったらハル・ハートリーの作品ではなくなるのだろうなあとか色々。
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