ぴよさん

奇跡の海のぴよさんのレビュー・感想・評価

奇跡の海(1996年製作の映画)
4.5
ついに観てしまった、黄金の心1作目
やはりわたしはこのタームに惹かれてしまうらしい

ベスの頭に介在しているのは神の皮を被った悪魔だよ 医師は己の愛のためにヤンをどこか遠いところへ移送したものとばかり思っていたけれど、そうではなかったみたい

トリアーのステラン・スカルスガルド、もれなく全部嫌な役すぎてすごい
絵画のようなスコットランドの原風景が救い 歪んだ気持ちや醜い心、簡単に人を裏切り侮蔑し、皮肉なまでの教会の神への固執と凝り固まった思想は、トリアー独自の手法とするハンディカメラに暖色のコントラストの作風にマッチしてしまう

鐘や神で人間が救われることなどないと間接的に伝えているような、それには純粋な愛すら霞んで当時のピュアな感情などどこにもない
それは最後に献身を続けてきたベスが自己犠牲によりヤンを'結果的に助けてしまう'という終わり方が全てを物語っている

エミリーの名演は言わずもがな、カトリンの終盤の演技がとんでもなかった、、

'言葉を愛すことは出来ない。出来るのは人間だけだ'
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