スローモーション男

荒野の決闘のスローモーション男のレビュー・感想・評価

荒野の決闘(1946年製作の映画)
4.5
 ジョン・フォード作品

彼の作品でも最も美しい映画と評される作品。

「OK牧場の決斗」で有名な保安官ワイアット・アープと親友のドク・ホリデイ
、彼の元恋人でワイアット・アープが恋したクレメンタイン、ドク・ホリデイの恋人チワワの四角関係の物語。

クラントン一家との「OK牧場の決斗」の決闘シーンは最後だけで、恋愛映画として魅力的です。
ワイアット・アープがクレメンタインに好きな想いを伝えられないというのは寅さんみたいで面白い。ヘンリー・フォンダの演技がさすがとしかない。

逆にドク・ホリデイとクレメンタイン、チワワの関係性もどぎまぎしていて面白い。みんなが健気なんですよね。

ストーリーだけでなくショットが素晴らしい。ジョン・フォードの画作りの素晴らしさ。朝、教会に行く人たちの行列や猛スピードで走っていく馬車などの動くもの。静かで美しい酒場での役者の語りやクレメンタインの出で立ち。哀愁深く心に染みるんですよ!!!

これこそが本来の映画の素晴らしさなんだと再確認しましたね!
史実をかなりねじ曲げていてワイアット・アープはもっとヤバい人だったそうですが、ジョン・フォードが会ったときには善良な人になっていたらしくそれでこの映画を作ったとか。とても良いエピソードです!