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荒野の決闘のペインのレビュー・感想・評価

荒野の決闘(1946年製作の映画)
4.7
所謂、名作。

黒澤明が生前最も好きだったフォード作品の1つ。テレンス・マリック的な"映像美"とはまるで異なる端正な構図と「黒」で塗り潰されたような画面。口髭を生やしたヘンリー・フォンダのワイルドな魅力や、愛らしく活き活きと描かれる女性キャラクターも印象的。また馬の撮り方からなんというか格の違いを見せつけられる。

10代で観た時は美しい映画だなぁくらいにはぼんやり思いつつも記憶に残るほど響いてなくて、とにかく静的な映画という印象だったのだが、アラサーにもなって観るとこんなにもフォード映画が面白く豊かに感じられ染み入るものかとビックリさせられる。

"古典的な西部劇の巨匠"みたいな構えた感じが今見ると全然しない。本当に交じり気のない観ていて気持ちいい"純映画"ということに尽きる。

某評論家の言うところの
"醜さの一切を受け入れた上で、美しさのみで映画として成立している"ような作品。
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